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第20回 R2.7.21 コロナマインドを利用する保健指導

マスクプラスワン

皆さん、こんにちは。

 

POPS研究会代表の呉(おう)です。

 

 

コロナ禍も一旦落ち着いたものの、予想以上に早い段階で第2波の予兆もありますが、いかがお過ごしでしょうか。

 

前回、コロナマインドをうまく利用して、コロナ仕様の健康増進型歯科医院を考えました。

 

コロナ終息まで、いかにコロナ仕様の健康増進型歯科医院を展開して、コロナ終息後の「超・健康増進型歯科医院」へ移行させ、結果として、外部環境に左右されることなく、定期健診受診者数の安定化と歯科医院の経営安定化を図っていきます。

 

今回は、前回の内容をより具現化して、コロナ仕様の健康増進型歯科医院で、どのように保健指導を行っていくか述べていきたいと思います。

 

まずは「コロナウイルスに正しく備える」ことを我々が知る必要がありますし、伝える必要があります。
コロナウイルスに関しては様々な情報が飛び交い、恐怖を助長します。恐怖で最も起こり得ないことについてエネルギーを浪費することになります。
これは、慢性的にコロナ疲れを引き起こし、免疫力低下により、感染リスクを高めてしまいます。
したがって、今わかっている情報から正しく備えるための事実を冷静に捉えて、行動する必要があります。

 

(添付資料「コロナウイルスに正しく備える」参照)

 

ポイントは以下の3つです。
易感染性
低重症化率
高齢者の相対的高重症化率

 

感染防止対策を講じても、感染する可能性が多分にありますが、ほとんどの場合が無症状か軽症です。
無症状の場合、ウイルスの排出期間も1週間前後と短く、他にうつす機会も少ないですが、症状が出る場合は、症状が出る前にウイルス排出量のピークを迎え(図1)、
その後も、排出期間が長引き、無症状の感染者と比べて、多くの2次感染者を出してしまう危険性があります。(図2)

 

また、症状とそれに伴うウイルス排出期間が長引けば、高齢者との接触機会が増え、高齢者の感染や重症化の恐れが出てきます。

 

 

 

 

 

したがって、我々の行動目標は免疫力をつけて、感染しないか、感染しても無症状にとどまるように心がけることです。
現に人類の疫病の歴史を見ても、ペスト、スペイン風邪、インフルエンザなど多くの感染者や犠牲者が出ていますが、逆を返せば、多くの非感染者がいました。
スペイン風邪が大流行した時は世界の6億人が感染した一方、残りの6億人は感染しませんでした。
世界の半数が感染した時に、その他の半数がウイルスに全く暴露されていなかったのではなく、暴露されても感染しない適切な免疫力を備えていたと考える方がはるかに合理的です。

 

すなわち、マスク着用などの感染防止対策を講じながらも、免疫力を高める習慣を身に着けることが、コロナ禍における合理的な行動目標ということになります。
また、マスク着用が自分の身を守る自衛行動であると同時に、周りに迷惑をかけないための社会行動ですが、免疫力を高めることも同様に、自衛行動と社会行動です。
したがって、マスク着用と併せて、免疫力を高める習慣を一つでも、身に着けてもらうことが、コロナ禍における健康増進型歯科医院の大きなミッションになります。

 

この免疫力を高める啓蒙運動を「マスクプラスワン運動」とし、視覚的なキャラクターもつくりました。ハートは「身近な大切な人のため」を表しています。
人間の動機付けは自己よりも利他に対しての方が大きく、幸福度も高いことがわかっています。

 

 

当院ではこのキャラクターをいたるところに貼り、この缶バッチを作って、スタッフに名札と一緒に着用してもらっています。
そして、認知行動療法として、このキャラクターのマグネットを患者さんに配布して、冷蔵庫やデスクなどに付けて、
このキャラクターが目に触れることで、免疫力アップ法を忘れずに継続的に行ってもらえるように工夫しました。

 

そして、前回お話したように、患者さんに免疫力アップのための資料を用意しました。
口腔衛生、口腔管理、運動、禁煙、入浴、ビタミンD、食事、睡眠、そして感染予防対策です。

 

(添付資料)

 

これらから、患者さんに興味のあるものを一つ選んでもらって、資料をお渡ししています。
それぞれ、表面にその習慣が免疫力を高める理由が、裏面には簡単な方法が記されています。
POPS研究会でもたびたび申し上げている通り、簡単でないと習慣化が困難だからです。
表面で腑に落ちて、習慣のスイッチをいれて、簡単なもので継続させる狙いです。
そして、その習慣を忘れないようにキャラクターによる視覚的認知を誘い、免疫力の習慣化をサポートしていきます。

 

医院によって状況は様々だと思いますが、当院では前にご紹介した「唾液のチカラ」、「鼻のチカラ」、「歯科衛生士のチカラ」を活用することで、定期健診受診者の数はほぼ戻ってきました。
立地的には商業地で、在宅勤務の会社員が多い中での現在の回復傾向は、上記の取り組みが好影響を与えた結果と考えています。
今回、コロナマインドを利用して、免疫力アップの生活習慣を取り入れることで、さらに社会貢献感と定期検診の受診率を高めていこうと考えています。

 

今後もコロナ終息までは、隙間時間を上手く活用しながら、患者さんの免疫力向上のお役に立てるように寄り添っていきたいと考えています。
また、POPS会員様におかれましても、各医院の状況に応じて、少しでもこれらの資料などを活用して頂ければ幸いです。

 

 

改めて、以下が添付資料のリストです。
キャラクターも併せて、各医院の実情に合わせてご活用下さい。

 

添付資料リスト

 

↓クリックするとPDFがダウンロードされます。

 

@「正しく備える」:免疫力を高める重要性を伝える資料(PDF)
A免疫力を高めるための資料(PDF)
A-1「口腔衛生」PDF)
A-2「口腔機能管理」(PDF)
A-3「運動」(PDF)
A-4「禁煙」(PDF)
A-5「入浴」(PDF)
A-6「ビタミンD」(PDF)
A-7「食事」(PDF)
A-8「睡眠」(PDF)
B「感染防止対策」:感染防止対策の資料(PDF)
C「マスプラ早見表」:各項目の重要性や行動目標を簡単に一目でわかるように示した表で、患者さんに選んでもらうときに活用する資料(PDF)
D「マスクプラスワン」のキャラクター:視覚的認知度を高めるため(JPG)

 

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では、今後とも「みんなの元気を支える歯科」を考える会、POPS研究会を宜しくお願いします。

 

呉 沢哲

 

 

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