こんにちは!
今回の健康ブログのテーマは「ネーパーヴィルの奇跡」です。
ネーパーヴィルとは米国、イリノイ州にあります。
ネーパーヴィル203学区で取り入れられた体育プログラムから生まれた「0時限」授業により、学区の生徒が国内有数の頭の良い生徒へと変身しました。
1999年ネーパーヴィルの生徒は、世界の約23万人の生徒が参加するTIMSS(国際数学・理科教育動向調査)という理科と数学のテストを受けました。
当時、アメリカの生徒は中国、日本、シンガポールの生徒に大きく水を開けられてきましたが、「0時限」授業を受けているネーパーヴィルの生徒は、理科が世界1位、数学が世界6位という記録を出したのです。
★ネーパーヴィルの体育プログラム
ネーパーヴィルの体育は、スポーツではなくフィットネス(健康)について教えています。
昔ながらの体育ではありません。教育実験の取り組みで『0時限体育』を行いました。
「0時限」つまり授業の前に運動することで読解力やほかの成績も上がるかどうかを明らかにする為に始まったものでした。
具体的には生徒たちに心拍計を装着し、タイマーを持たせて時間の管理をさせ、最大心拍数80~90%でトラックを4週(10分程度)ランニングするというものです。(自分の100%の力を出して全力で走るのではなく、80%ぐらいの力で走る)
脳が学習するには、ニューロンとの結びつきが作られなければなりません。運動が脳への刺激となって、脳は学習の準備をし、意欲をもち、その能力を高めることがわかってきました。
実際、学校内の読み書きの成績について、「0時限」で朝に有酸素運動をしてから授業を受けるというコースをとった生徒は、17%も成績が向上したのに対し、とっていない生徒は10.7%しか伸びなかったそうです。
同じ読み書きの授業を2時限目に受けた生徒は成績が良く、8時限目に受けた生徒は成績があまり延びなかった。
このことから運動の効果を生かすために、運動直後の脳が活性化している時に一番苦手とする教科を受けるようにするといいとされています。
日本においても、福井県や秋田県は、学力テスト、体力テスト双方で上位にあり、体力と学力は比例するのではないかと指摘されています。
★運動による効果
心と脳と体は互いに影響しあっています。運動すると気分がよくなるだけでなく、自分を肯定的にとらえられるようになります。気分が落ち込んでいても、体を動かしてすっきりすると、自分はきっと大丈夫で、信頼できると思えるようになり、態度もすっかり変わる。この日課を定着させるだけで、気分は大きく改善するといわれています。
運動は、うつ症状、恐怖症やパニック障害などの不安障害などの症状を大幅に和らげる効果があることが医学的研究によって明らかになっています。
参考著書:脳を鍛えるには運動しかない! 著者:ジョンJ.レイティwithエリック・ヘイガーマン