今回の健康ブログのテーマは「トランス脂肪酸」についてです。
米国で油脂の成分の一つであるトランス脂肪酸の食品添加物が三年後に原則禁止となります。
過剰摂取すると、心臓疾患などのリスクが高まるとされていますが、日本では規制されていません。
だが、消費者の関心の高まりを受け、食品業界などでは、利用量の低減などを進めるところも増えています。
トランス脂肪酸は、不飽和脂肪酸と呼ばれる脂質の一種です。
自然由来のもの(牛肉、乳類)もあるが、植物油を加工する際にも発生します。
マーガリン、コーヒー用のクリーム、ビスケット、スナック菓子(ショートニング)などに多く含まれています。
トランス脂肪酸を過剰に摂取すると、悪玉コレステロール値を高めたり、動脈硬化や心筋梗塞を引き起こしたりする可能性が増すと報告されています。
世界保健機関(WHO)は、摂取量を一日の総エネルギー量の1%未満に抑えるよう勧告している。
米食品医薬品局(FDA)は、「食用として一般的に安全とは認められない」と指摘し、2018年6月までにトランス脂肪酸の食品添加を原則禁止とすることを決めました。
米食品医薬品局は「心臓病を減らし、年間数千件の命に関わるような心臓発作を防ぐことができる」とみています。
日本では、トランス脂肪酸の規制や含有量の表示義務はありません。
内閣府の食品安全委員会によると、日本人がトランス脂肪酸から摂取するエネルギーは総量の約0.3%で、WHOの勧告を下回る。
米国人は約2.2%で、食生活の違いが大きいとしており「日本人の大多数は1%未満と推定され、通常の食生活なら健康への影響を懸念する水準ではない」とする報告書をまとめており「今のところ、摂取量に基準を設ける予定はない」としています。
ただ若年層や女性を中心に摂取量が多い傾向にあることから、今後、表示義務などを検討する必要があると指摘しています。
食品業界などでは、消費者の懸念をなるべく拭い去るため、使用量の低減や減量の切り替えに取り組む企業が増えています。
ごく少数だが、トランス脂肪酸の含有量が度を超えて高い商品があり、WHOの勧告を超える量を食べてしまう可能性もある。
そうした商品に対しては規制も検討していくべきだとしています。
また、商品に表示があれば、消費者は自主的に摂取量を調節できるとして含有量の表示に積極的に取り組むように求めています。
産経2015年6月2日より参照