断食が脳をより明晰にする
こんにちは!今回のテーマは「断食が脳をより明晰にする」です。
人類と他の哺乳類の極めて大きな差は、体のほかの部位に対する脳の大きさの比率です。例えば象の脳の重さは7500グラムで、人間の1400グラムよりはるかに重いが、象は脳が全体重の40分の1を占めます。「能力」や知性のカギは、体の大きさに対する脳の大きさの割合なのです。さらに重要なのは、人間の脳が不釣り合いなほど多量のエネルギーを消費することです。人間の脳は全体重の2.5%しかないが、静止時の体のエネルギー消費量のなんと22%を消費しています。人間の脳はゴリラやオランウータン、チンパンジーなど他の類人猿の脳より、約3.5倍も多くエネルギーを消費します。だから人が脳を機能させ続けるには、食事でカロリーをしっかり摂る必要があります。幸い私たちは、食料難のような過酷な状況でも生き延びられるよう、技能や知能を発達させてきました。人間は計画を立て、将来に備えることもできます。加えて、自らの脳の驚異的な能力をより理解すれば、どんな食事をすれば脳にいいのかもわかるのです。人体の重要なメカニズムの一つが、飢餓状態の時に脂肪を「生命維持に必要な燃料」に変える能力です。人は脂肪を「ケトン」という分子に分解することができます。断食が脳を育むという、一見矛盾する理屈が生じるのはこのためであり、さらにこのことから、人類学上の熱い論争の説明もつきます。
その論争とは、なぜ人類の親戚であるネアンデルタール人は3万~4万年前に地球上にいなくなったのかという疑問です。ネアンデルタール人はかしこいホモ・サピエンスに「消された」とするのが無難なようだが、いまでは多くの学者が、絶滅のおもな原因は食料難ではないかと考えています。それは、ネアンデルタール人は脂肪を利用して脳に栄養を与える生化学的経路がなかったので、生き抜けなかったのかもしれないのです。他の哺乳類の脳と違って、人間の脳は飢餓の際、代わりのカロリー源を用いることができます。通常は毎日の食事によって、脳にブドウ糖が燃料として供給されます。食間にも脳には引き続きブドウ糖が安定して供給されるが、このブドウ糖はおもに肝臓と筋肉のグリコーゲンを分解して作られます。
だがグリコーゲンの蓄えは、同量のブドウ糖しか供給できません。蓄えがなくなると、代謝が変わり、新たにブドウ糖の分子を、おもに筋肉にあるタンパク質のアミノ酸からつくるようになります。この過程はその名も「糖新生」といいます。プラス面では、これによって必要なブドウ糖が器官に与えられるが、マイナス面では筋肉が犠牲になります。筋肉を消耗してしまうことは当然好ましいことではありません。ところが人間には脳を働かせる生理学的しくみがもう一つあります。食糧がもはや手に入らなくなって三日ほどたつと、肝臓が体内の脂肪を使って、特別な脂肪「ケトン」を作り始めます。このとき、βヒドロキシ酪酸が脳の為の非常に効率のよい燃料源となって、食料難の間も長期間、認知機能を保つのです。こうした代わりの燃料源のおかげで、「糖新生」に頼ることが減り、その結果筋肉量が保たれるのです。
研究ではカロリーで制限によって活性化される、脳にも体にもよい効果をもたらす遺伝経路の多くが、たとえ短期間の断食でも同じように機能することが証明されています。これは将来の「断食をすると代謝が低下し、体が飢餓モードに入るため、脂肪を保ち続ける」という考え方とはまったく逆です。断食は実際には減量を促し、脳の健康も高めるという全身への効果があります。
2009年1月、「米国科学アカデミー紀要」にある研究論文が掲載されました。その研究とは、ドイツの研究者たちが二つの高齢者グループの比較を行ったものです。片方はカロリーを30%減らし、もう片方は何でも好きなものを食べてよしとしました。研究者たちは二つのグループの記憶機能に差が出るかを調べ、3ヶ月の実験を終えての結論は次のとおりでした。
カロリー制限食事療法のグループの記憶機能はかなりの向上が認められました。一方、制限なしで自由に食べられる人たちは、小幅ながら記憶機能低下の特徴がはっきりと見られたのです。研究者たちは、脳の健康に対する、現在の薬によるアプローチが非常にかぎられていることに触れた上で、「この研究結果を利用すれば、高齢化に際して認知面の健康を維持するための、新たな予防と処置方法が開発できるかもしれない」と結論づけました。
多くの人が、アルツハイマー病は遺伝としてDNAから受け継がれるものだと思い込んでいます。しかし、この研究でそうでないことが判明しました。「疾学的データからわかるのは、摂取カロリーが少ない人は脳卒中や神経変性疾患のリスクが軽減するかもしれないということです。食物消費とアルツハイマー病や脳卒中のリスクの間には強い相関関係があります。データからは、日常的に摂取カロリーがとりわけ少ない人は、アルツハイマー病やパーキンソン病のリスクが極めて低いということが分かります」
マットソン博士はナイジェリア人の家族を対象にした研究についても述べています。一家のうち何人かが米国に移住した家族を対象にした研究です。米国に移住しているナイジェリア移民におけるアルツハイマー病罹患率は、ナイジェリアに残った親族に比べて増えていました。遺伝子上は移住したナイジェリア人もナイジェリアに残った親族も同じでした。変わったのは環境、ことにカロリー摂取だけです。研究で明らかになったのは、高カロリー消費が脳の健康に有害な影響を与えているということです。
一度みなさんも減量を促し、脳の健康も高めるという全身の効果がある「断食」をしてみてはいかがでしょうか?(^O^)
参考著書 「いつものパン」があなたを殺す
腸をキレイにしたらたった3週間で体の不調がみるみる改善された
今回のテーマは「腸をキレイにしたらたった3週間で体の不調がみるみる改善された」です。
この本の著者である松本朋子さんは、幼少期から「超最強便秘」で、カチコチに硬くなった重たく張ったお腹に、食欲不振、吐き気、肌荒れ、更年期障害、睡眠障害、そして晴れない心を抱えて、日々どんより暮らす生活を40年以上おくってきたそうです。
ところがなんと、たった3週間でお金をかけず、苦労せずに、するんと快腸を手に入れ、腸は美しく生まれ変わったそうです。
うんちを我慢すればするほどうんちを肛門へと送りだすためのポンプのような働きをしている「腸の蠕動運動」が弱ってしまい、うんちが詰まってしまいます。
ストレスの原因は、自律神経の乱れです。
腸の健康に大きな影響を与える自律神経のバランスが悪いと、腸の機能が低下します。
3週間ためし便秘が解消された方法
①朝に一杯のお水を「一気飲み」する
お水を一気飲みするのが重要!
胃に一気に飲み物を流し込み、その重みで腸のスイッチを入れます(胃・結腸反射)
飲み物の重みで腸が刺激され、朝ほとんど動いていない腸が活動を開始します。
②乳酸菌を食べる
一日一品、善玉菌のエサとなる乳酸菌(発酵食品)を摂る。
乳酸菌を多く含む食品[ヨーグルト、チーズ、納豆、キムチ、お漬物、味噌]など
③便意がなくても毎朝5分便座に座って簡単ストレッチ
眠っている腸にさらなる刺激を
腸というのは習慣性が大好きな臓器だそうです。
毎朝、便意があろうがなかろうが、出ても出なくても、同じような時間帯に便座に座る。
便座に腰かけている時間は、どんなに長くても5分。
飲み物や食べ物による内側からのアプローチと、ストレッチなどで刺激を与える外側か らのアプローチが大切です。
特に朝は、眠っている腸を目覚めさせるためにも、ストレッチをするとよい。
⑤同じような毎日が、腸にとってはいちばん快適
腸が好むのは、規則正しい生活。
特に、朝、昼、夜の食事時間がある程度決まっていると消化リズムも整い、蠕動運動の
パワーが衰えない。
便秘だと、お腹が苦しく食欲がなくなり、食べないことにより腸の蠕動運動が鈍くなり、悪循環になります。
食事を摂ってもらえないことが、腸にとっていちばんダメージが大きい。
便秘が改善したらこんな効果があります
①フェイスラインのブツブツが改善
便秘だったり、代謝が悪く汗も出にくいと老廃物が排出されず、ブツブツができてしまいます。
腸にうんちが長期滞在していると腐敗発酵が起こり、有毒ガスのどの毒素が発生します。
これが腸壁から血液に入り込み、毒素が体中を巡ることになり、ニキビのにならず頭痛やめまいなどの原因にもなります。
②肌がキレイになる
便秘が改善しただけで、肌のお手入れは同じなのに、肌のトーンが明るくなり、クマが無くなったり、肌の水分量や油分量がよくなったり、シワ・シミの数が増えなくなったりしたそうです。
③花粉症が治ったり、風邪を引きにくくなる
腸には免疫細胞の約6割が存在しています。
便秘などで腸内環境が悪化すると、免疫システムが正常に働かなくなります。
そうなると当然、細菌やウイルスに対する抵抗力が弱まり、風邪を引きやすくなったり、
アレルギー症状が出たり、怖いことにガンの発生率まで上がってしまうそうです。
④更年期障害や生理痛とも無縁
便秘が解消され、腸がキレイになると女性ホルモンのバランスも整い、更年期障害の症状が出にくくなったり、月経トラブルもなくなるそうです。
⑤代謝がアップし、しっかり食べても太りにくい
腸は、血液の源を作る器官です。
いくら食事に気を配っても、便秘で腸が詰まっていると、栄養素も吸収を邪魔されてしまいます。
栄養素の代わりに、停滞した便から発生する毒素が吸収され、血液に紛れ込みます。
毒素まみれの血液では、栄養素をうまく届けることができなくなり、栄養素の受け渡し=代謝が起こりません。
これが、代謝が悪いという状態です。
代謝が活発になれば汗もかきます。
便秘でいると腸内細菌がエサをもらうことができず、本来の役割を果たしません。
すると、太りにくくしてくれる物質などが作られにくくなり、太りやすくなります。
代謝が上がったことにより、冷え症が改善され、寝付けないや、体が冷えてトイレが近くなり夜中に何回も起きるなどの睡眠障害のなくなります。
寝ている間に腸は活発に活動するので、睡眠障害も便秘を招く一因です。
寝ている間に腸をしっかりと動かせるコツは、寝る3時間前までに食事を終えて、胃の消化活動を終わらせておき、腸の消化活動に集中させることです。
女性の死因№1は大腸がんで、男性でも死亡率第3位です。
便秘だから大腸がんになる、という因果関係は科学的に証明されていませんが、無関係ではありません。
じつは、免疫機能を司る細胞の約6割が腸に存在しています。
便秘になって腸の働きが悪くなると、免疫力も下がり、ウイルスへの抵抗力が弱まるため、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。また、免疫力には体内で発生した有害な細胞を除去する働きもあるため、この働かないと、ガン細胞が増殖する原因にもなってしまいます。
このため「腸内環境が整えば、体内の不調の7割は解決する」といえるそうです。
参考著書「腸をキレイにしたらたった3週間で体の不調がみるみる改善されて40年来の便秘にサヨナラできました!」
日本人の食物繊維摂取量
こんにちは!今回のテーマは日本人の食物繊維摂取量についてです。
国立健康・栄養研究所の池上幸江先生は、食物繊維成分表と国民栄養調査から計算した日本人の食物繊維摂取量を水溶性と不溶性に分けて表にしています。食物繊維全体では、1947年には1人あたり1日27gあったものが、1995年には16gになり、現在では半分以下の12gにまで減っています。特に1960年代の高度経済成長期に大きく低下し、その後は若干の変動はあるものの、今日まで少しずつ低下しています。その要因としては穀類の摂取量の減少と、穀類の精白度が増したことが考えられます。
また日本人の野菜摂取量も減り続けており1985年には年間1人あたり110.8kg食べていたものが、1999年には102.3kgになりました。参考までにアメリカ人の野菜摂取量を見てみると1985年以来増え続けており、95年以後は日米の1人あたりの野菜摂取量は逆転してしまっています。アメリカ人の野菜摂取量が増えた結果、アメリカ人の全がんの発生率は減少に転じているが、日本では全がんの発生率が増加傾向のままです。これらの調査結果から腸内細菌の量も減っていると考えられます。なぜなら腸内細菌は食物繊維をエサにしているからです。腸内細菌が減ってしまったために日本人の免疫力が低下し、がんの発生率が増え、アトピーなどのアレルギー性疾患やうつなどの「こころの病」が増えてきたのでしょう。
次に諸外国の食物繊維摂取量を比較してみましょう。各国の食料需給表を用いて、エリザベス・ブライト=シーという学者が計算した表があります。この表によるとメキシコ人が最も多くの食物繊維を摂っていることが分かりました。日本人の実に3倍です。驚くべきことに日本は食物繊維摂取量がむしろ少ない国に属していて、ドイツやアメリカとほぼ同じです。そのほか食物繊維の少ないのはスウェーデン、オランダ、フィンランド、イギリス、スイスといった国です。
「5年間で16万人」。これは一体何の数字でしょうか?実は、自らの命を絶ってしまった日本人の数です。物質的な豊かさは世界有数で、一見すると幸せに満ちているように思える国でなぜ自殺してしまう人が多いのでしょうか。これについては、近年の日本人の自殺者の増加が失業率と連動していることから自殺の主な原因として不況を挙げる人も多い。しかしこのような傾向は他の先進国では見られません。かつてスウェーデンの失業率は日本の1.5倍でした。世界中が不況に見舞われているなか、スウェーデンの失業率もやはり2%から8%台に上昇しました。しかしその自殺率は日本の半分になっていたのです。つまり不況を自殺者数の増加の理由にすることはできないのです。また国民がほとんど自殺をしない国もあります。それは、経済的には常に困窮しているといってもいいメキシコです。自殺率は日本の6分の1以下で、世界で最も低い位置にいつづけています。では日本とメキシコの違いはどこにあるのでしょうか。それは腸内細菌でしょう。腸内細菌のエサである食物繊維を世界で最も多く摂取している国がメキシコです。食物繊維は腸内細菌のエサとなって腸内細菌が増え、結果的に免疫力が上昇するのですが、私たちはストレスを受けると体内にコルチゾールが増えます。コルチゾールは副腎皮質から分泌され、糖代謝、タンパク質や脂質の代謝にも関与する、生体に必須のホルモンなのだが、分泌される量によっては、免疫機能を担っているNK細胞活性が低下してしまうのです。しかし食物繊維を多く摂っていると、NK細胞の活性低下が見られなくなることが明らかにされています。つまり食物繊維によって、「生きる力」が増強されているのです。
メキシコ人は毎日のようにサルサソースとしてトマトを食べてきました。自殺率が低いのはトマトに含まれているリコピンが大きな働きをしていると言えます。リコピンは強力な抗酸化力を持ち、精神の安定に役立っています。またトウガラシに含まれるカプサイシンは粘膜の分泌を促し、体液の循環を盛んにさせます。さらにカプサイシンが痛覚を刺激するため、脳に痛みの信号が伝わり、体内鎮痛用のエンドルフィンを分泌させるのです。これが逆に体に快感を与え、こころに溜まったうつさえも和らげるのです。
これからの日々の食事に食物繊維を多く摂り入れてみてはいかかでしょうか?(^O^)
参考著書 こころの免疫学
小麦は食べるな!
今回のテーマは「小麦は食べるな!」です。
現代の小麦は私たちの先祖が日々口にしていたパンの粉にしていた穀物とは違います。自然環境では何世紀もの間にわずかしか進化しなかった小麦が、ここ50年間のうちに農業科学によって劇的な変化を遂げてきたのです。
というのも小麦の品種は、菌類などの病原菌のある環境や日照りに抵抗力をつけるため、交配、異種交配、遺伝子移入が重ねられ作られたのです。
そのため、遺伝子変更によって収穫量が増大し、現在では北米の平均農家の収穫量は1世紀の前に比べると10倍にもなるそうです。
飛躍的な収穫量の増大の裏には、遺伝子情報の大幅な変更が必要であったのです!
というのも小麦を始めとする穀物の遺伝子構造が大幅に変えられたが、生み出された新たな品種は、動物実験や人体への安全確認のテストは行われなかったのです。生産性を増やすことに集中するあまり植物遺伝学者たちは交配によって作られる品種は人間が食べても安全なはずだという自信にあふれ、緊急に世界中の飢餓状態をなくす為、人体への安全性の問題を考慮せずに食料供給に投入されたのです。
小麦がどうして身体にとって悪い影響を与えるのでしょうか?
その一つは、小麦が持つ「スーパー糖質」です。これは小麦に含まれているアミロペクチンAが最も劇的に血糖値を上げると言われています!
例えば同じ量を食べた場合、小麦とポテトチップスを比べると、小麦の方が血糖値をあげるのです。アミロペクチンAは非常に消化されやすい炭水化物であるため、スーパー糖質なのです。
二つ目に、小麦は最強の「食欲増進剤」でもあるのです。
小麦、特にグルテン由来のエクソルフィンには多幸感や常用癖をもたらし、食欲を増進させる力が潜んでいます。つまり小麦を減らせば体重も減るのです!!
また小麦に含まれるグルテンやグリアジンが引き起すセリアック病(免疫介在性グルテンアレルギー)があります。
これに関連する疾患には、疱疹状皮膚炎、肝疾患、自己免疫疾患、インスリン依存性糖尿病、神経障害、栄養失調などがあげられます。また小麦のグルテンが原因の皮膚疾患には、口内炎、皮膚血管炎、黒色表皮腫など様々な病気が挙げられます。
これらの理由から、小麦を絶つことに加え、炭水化物の摂取量も全体的に減らすことが大切になってきます。
例えば・・・スナック食品、デザート類、イモ類、豆類、フルーツジュース類、などは避けたい食品です。
実際問題として、小麦から身を守る最良の方法としては一定期間、小麦を完全に遠ざけることです。
その一つの方法として断食があります。
体重が減り、血圧が下がり、インスリン反応が改善し、寿命が延びるなど、体に良い作用がいくつもあります。
小麦をたつことは、健康で長生きするための基本条件といえるのです。
≪断食の方法≫
・断食中は一切の食べ物を経ち、水しか口にしない。
・大体18時間~数日間が目安
小麦をやめれば、2時間おきにやってくる猛烈な食欲から解放され、長時間何も食べなくても平気になり、少しの量でも満足するようになるそうです。また最近では断食の為の酵素などもあります。
私たちの周りには小麦が使われているものが多くあり、避けて食事するとなるとなかなか難しいですが、腸をリセットして健康を維持したと思ったら、一度プチ断食を試してみてください♪
小麦は食べるな! Dr.ウィリアム・デイビス
ココナッツオイルとアルツハイマー型認知症
今回のテーマは「ココナッツオイルとアルツハイマー型認知症」です。
アルツハイマー型認知症は未だに原因不明で進行性の神経変性疾患で、最終的には寝たきりになる病気であるが、人口の高齢化とともに患者数が激増し、日本でも大きな社会問題となっています。
アルツハイマー型認知症を発症すると認知機能の低下に伴い、物忘れがひどくなり、性格が変容し、行動異常が起きるので、介護に携わる家族には大変な負担になります。
これまでのところ有効な治療薬は開発されていません。
一般に処方される薬では、症状を緩和させることはできるが、病気の進行を食い止めることはできません。
最近では、アルツハイマー型認知症は3型糖尿病とも呼ばれており、アルツハイマー型認知症患者の脳では、インスリン(血液中のブドウ糖量を一定に保つ働き)の効きが極端に悪くなっているので、神経細胞はブドウ糖が使えなくなり神経変性を起こして記憶障害などの神経症状を悪化させると考えられています。
しかし、神経細胞はブドウ糖以外にケトン体という脂肪酸の代謝産物をエネルギー源として利用することも可能です。
アルツハイマー型認知症を発症していったんブドウ糖が使えない状態となってもケトン体が供給され続ければ、神経細胞はエネルギーを産生し続け、脳の活性を保つことができます。
ココナッツオイルからは、中鎖脂肪酸が抽出されており、ココナッツオイルを食べた後に血液中のケトン体を調べると、ケトン体の値が上昇することがわかりました。
ケトン体はブドウ糖に代わる優れた脳のエネルギー源となります。
ここでココナッツオイルを一カ月と少し食事に20g(大さじ2杯)混ぜて摂取しアルツハイマー型認知症の改善がみられた事例を紹介します。
時計の絵はアルツハイマー型認知症を見分けるのに特に適したテストで、アルツハイマー型認知症の患者に時計の絵を描いてもらいました。
ココナッツオイルを始める前は、小さな円がいくつかと、バラバラの数字があるだけで、時計とは似ても似つかない。
これは認知症が中等度というりも重度のほうにほうに傾いています。
ココナッツオイルを始めて2週間、時計の絵は格段に進歩しています。
ココナッツオイルを始めて37日後、さらに時計らしくなっていおり、数字が正しい位置に近いところにあり、前回の絵のような線が少なくなっています。
このように、ココナッツオイルにより認知症が改善したという結果がたくさん報告されていますし、予防にもなるといわれています。
ココナッツオイル療法は実践しやすく、しかも劇的に症状が改善する人は数日でその効果が確認されています。
なぜ20gなのかは、たいていの人が下痢を起こさない量だからです。
下痢は体がこれ以上は耐えられないというしるしで、摂りすぎもよくないということです。
ココナッツオイルを摂るタイミングと量は、人によって違うので、小さじ一杯から始め徐に量を増やし、下痢を起こさずに摂れる量まで増やします。
少量のココナッツオイルでも下痢の症状が続く場合は、オイルをカッテージチーズと混ぜて摂ったり、ココナッツミルクのようなココナッツ製品を試してみるのもいいです。
また、ココナッツオイルは皮膚から良く吸収されるため、オイルを皮膚に擦り込む方法もあります。
脳が充分に働くには、とても高いエネルギーを必要とします。脳がいつもケトンを利用できるようにするために朝、昼、晩と飲み物に混ぜたり、料理に入れたり、ドレッシングに混ぜたりと3回の食事ごとに摂れるようにしましょう。
数日忘れていて2日程摂り、また数日忘れているというようなやり方では、大した効果は期待できません。また量が決まったら一定の量を摂らなければ、違いが出るほどのエネルギーは脳に供給されません。
ココナッツオイルを毎日必ず摂るようにしましょう。
数々月続けても全く改善が感じられないとときは、徐々にやめていくようにしましょう。
認知症は、本人はもちろん、家族など身近な人にも大きな苦しみをもたらします。
認知症は残酷です。それまでの人生で成し遂げていたことの記憶をなくし、愛し愛された人の顔も分からなくなります。
最後には、立ったり座ったりといった最低限の動作の仕方さえ忘れてしまいます。
そんなふうに本来の自分を失ってゆくのを見ていなければならない、進行を止めたり回復させる薬はまだありません。
だめでもともと、やってみても損はないはずです。
参考著書:アルツハイマー病が劇的に改善した!! 米国医師が見つけたココナッツオイルの驚異の効能
トランス脂肪酸
今回の健康ブログのテーマは「トランス脂肪酸」についてです。
米国で油脂の成分の一つであるトランス脂肪酸の食品添加物が三年後に原則禁止となります。
過剰摂取すると、心臓疾患などのリスクが高まるとされていますが、日本では規制されていません。
だが、消費者の関心の高まりを受け、食品業界などでは、利用量の低減などを進めるところも増えています。
トランス脂肪酸は、不飽和脂肪酸と呼ばれる脂質の一種です。
自然由来のもの(牛肉、乳類)もあるが、植物油を加工する際にも発生します。
マーガリン、コーヒー用のクリーム、ビスケット、スナック菓子(ショートニング)などに多く含まれています。
トランス脂肪酸を過剰に摂取すると、悪玉コレステロール値を高めたり、動脈硬化や心筋梗塞を引き起こしたりする可能性が増すと報告されています。
世界保健機関(WHO)は、摂取量を一日の総エネルギー量の1%未満に抑えるよう勧告している。
米食品医薬品局(FDA)は、「食用として一般的に安全とは認められない」と指摘し、2018年6月までにトランス脂肪酸の食品添加を原則禁止とすることを決めました。
米食品医薬品局は「心臓病を減らし、年間数千件の命に関わるような心臓発作を防ぐことができる」とみています。
日本では、トランス脂肪酸の規制や含有量の表示義務はありません。
内閣府の食品安全委員会によると、日本人がトランス脂肪酸から摂取するエネルギーは総量の約0.3%で、WHOの勧告を下回る。
米国人は約2.2%で、食生活の違いが大きいとしており「日本人の大多数は1%未満と推定され、通常の食生活なら健康への影響を懸念する水準ではない」とする報告書をまとめており「今のところ、摂取量に基準を設ける予定はない」としています。
ただ若年層や女性を中心に摂取量が多い傾向にあることから、今後、表示義務などを検討する必要があると指摘しています。
食品業界などでは、消費者の懸念をなるべく拭い去るため、使用量の低減や減量の切り替えに取り組む企業が増えています。
ごく少数だが、トランス脂肪酸の含有量が度を超えて高い商品があり、WHOの勧告を超える量を食べてしまう可能性もある。
そうした商品に対しては規制も検討していくべきだとしています。
また、商品に表示があれば、消費者は自主的に摂取量を調節できるとして含有量の表示に積極的に取り組むように求めています。
産経2015年6月2日より参照
ミトコンドリアってスゴイ!!
学生時代に生物の時間に耳にしたこともあると思いますが細胞の中にある小器官です。
これがすごいのです!!
何がすごいのかというと、人のエネルギーの95%を産生しているのがこのミトコンドリアです。
私たちの体は60兆個の細胞でなりたっていて1つの細胞の中に約2000個のミトコンドリアが存在します。つまり60兆×2000=12京個というとんでもないミトコンドリアを私たちは備えています。質量にして10%、つまり体重60kgの人は6kgのエンジンを備えています。
つまり、私たちの体はミトコンドリアを元気にすることで元気で長生きできます。
今からミトコンドリアを元気にする秘訣をお話します。
「お腹が空いたな~」と思ったら、今こそミトコンドリア増加中です!!
食べ過ぎは活性酸素がたくさん出て、ミトコンドリアが疲れてしまいます。
2、姿勢を正しく保つように心がける!
ミトコンドリアは筋肉の中に約8割が集中しています。
筋肉をわざわざ鍛えるようなことはしなくても大丈夫!筋肉に力が入るように姿勢をしっかりと保っていればミトコンドリアは増えます。
3、ちょっとした運動
ちょっとした体操や、階段を使うなど日々の生活のなかで出来ることでOK!
4、腸の冷えに注意!!
ミトコンドリアは体内の温度が37度のときに活性化します。
36.5以下の環境では働きが鈍ってしまいます。冷たいものの飲みすぎや食べ過ぎ、薄着などには注意が必要です。
質の悪いミトコンドリアを作る生活習慣
大食い・早食い
野菜を食べない
大量の飲酒や喫煙
運動不足
過度なストレス
日光を浴びない
また、ミトコンドリアは40~50代で急激に減少!!
40~50代になると、加齢によって筋肉が落ち始め、筋肉に多く含まれるミトコンドリアも減少していきます。
~歩かない・運動しない・家事は家電任せ・ご飯はお腹いっぱいまで・毎日快適な楽ちんライフ・・~なんて生活をしていると老化が加速してしまいます。(T_T)
ミトコンドリアをふとした瞬間に思い出して下さい(*^^)v
この生活はミトコンドリアは好きかな?なんて意識して、質の良いミトコンドリアを沢山増やして健康で長生きする体を手に入れましょう♪♪♪
食べないことが健康にいい??
一日三食、食べるのは当たり前。現代の日本に暮らす大多数のみなさんは、おそらく何の疑いもなく、そう考えているはずです。
でも、人間が三食、満腹になるまで食べられるようになったのは、わずかにここ数十年のこと。100年にも満たない、つい最近の話です。
国内でいえば戦後の焼け野原から復興して高度経済成長を迎えて以来のこと、少なくとも戦前・戦中もそれ以前も、一般庶民がお腹いっぱい食べられるということはなかったのです。そもそも食事が決まった時間にできるようになったのは、稲作文化が始まってからの4000年ほど前からです。それまでの16万6000年という間は狩猟文化の時代で、獲物がとれないときは何日間も食事にありつけなかったのです。
もっとも、稲作時代になってからも、天変地異や気孔の変動による飢饉が世界中のあちこちで幾度となく繰り返されました。
飢餓は現代に至っても続いており、日本やアメリカ、ヨーロッパなど、ごく一部を除いて、世界の大半の国はいまだに飢餓の危機にさらされているのです。
WFP(世界食糧計画)が公表している「ハンガー・マップ」によれば、
アジア、アフリカ、中南米などが濃く塗られた飢餓状態であることがわかる。
★ところがハンガー・マップを見ていると、あることに気付きます
飽食状態にあって一見幸せそうな先進国では出生率が極めて低く、人口が減少しつつあります。こうした生命力の差はどうして生じるのでしょうか。人類の長い歴史は、飢餓はもとより、天変地異、伝染病の蔓延、戦争といった危機の繰り返しでした。
飢餓状態の国では人口爆発が問題になっている中で、先進国ではどんなに科学の枠を結集しても出生率の低下に歯止めをかけることはできません。人工授精などの生殖医療をもってしても人工を増やすことができないのです。
それは人種の問題で、日本人は妊娠率の低い民族なのでしょうか。
いいえ、私たちの祖父母の時代、戦前までは一夫婦で、四、五人の子供がいるのが普通だったのです。
つまり、人類存亡の危機を何とかかいくぐって、生き延びてきた者の子孫である私たち現代人は、飢えや寒さや感染症のときこそ生きる力が湧いてくる「生命力」というものがあるのです。
その生命力の源こそが、私たち人類が危機を乗り越えることによって獲得してきた「生命力遺伝子」なのです。
ただやっかいなのは、飢えや寒さの状態におかれないと生命力遺伝子は働かないこと。さらに飽食状態では逆に、体を老化させ、出生率を下げ、免疫が自分の体を攻撃するほうに働いてしまうことです。
食べ過ぎこそ病気の始まり
高度経済成長を迎えたあたりから、テレビや雑誌ではグルメ特集が増え、「飽食」が日本中をおおいつくすようになりました。「食欲」という動物的欲求を解放してしまったのです。
毎日欠かさず、三度三度お腹いっぱいに食べることが、本当に体にとって健康的なのかと問われれば、明らかに「NO」といえます。栄養は足りていなければたしかに病気になりますが、体内の生命力遺伝子はその病気を治療・予防するために働きます。しかし食べ過ぎたときに働く生命力遺伝子はほとんどない為に、飽食と誤った食生活によって病気になっている人が、あとを絶たないのです。
「癌・心臓病・脳卒中・糖尿病」という四大疾患のいずれも、食生活‐食べ過ぎによる肥満やバランスを欠いた食習慣が原因となっていることが明らかになっています。
何歳になっても若く健康で、はつらつとしたクオリティ・オブ・ライフを保ち続けるためには、食生活の改善、ことに飽食を止めることが必要不可欠なのです。
満腹には適応できない現代人の体
私たちの祖先は、飢えと寒さに代表される過酷な環境を生き抜く長い進化の中で、「生命力遺伝子」と呼ばれるサバイバル遺伝子を獲得してきました。私たちの体の中には、飢えや寒さに適応できる仕組みがすでに備わっているわけです。
私たちの体は環境の変化に適応するために常に最適化されるようにできています。「生命力遺伝子」にちていえば、飢えと寒さにおかれたときほど活性化するというわけです。
ところが厄介なことに、遺伝子の最適化は一度ある条件に設定されると、環境が変化してもうまく適応できないというデメリットがあります。新しい環境に適応するためには、再び何万年という進化の過程を経なければならないのです。
つまり私たちは飢えに対して非常に高い適応力を発揮する力を獲得したが、急激な飽食状態に対しては無力であるばかりか、逆に生命力が有害に働く、ということなのです。
私たちの体は飢えには強いけれども、満腹には適していないのです。
17万年に及ぶ人類.人類の歴史は、飢えと寒さとの戦いであって、その中お腹いっぱい食べることができた時期は、わずかに100年にも満たないのだということをもう一度思い出して下さい。
一日のエネルギー消費量を上回る高カロリーの食事を、毎食、満腹するまで食べ続けている生活。この豊かすぎる食生活に適応できなくなってしまった人々は、今急激に体質の変革を迫られています。
そこで登場したのが、「国民病」ともいわれる糖尿病です。糖尿病人口はガンや心臓病を上回っています。
戦後、すべての国民が皆、お腹いっぱい食べられる国を目指してきました。その中で、今度は逆に、飽食が糖尿病をはじめとする様々な形で、私たちの体をむしばむ要因をつくっているとしたら、なんとも皮肉な話ではないでしょうか。
『空腹』が人を健康にする 南雲吉則 より引用
脂肪はキレイのもと!!
こんにちは☆
今回は脂肪についてのお話です。
女性にとって脂肪は少ない方がいい!とほとんどの方が思われると思います。
しかし、脂肪は決してムダなものではありません。
エネルギー貯蔵庫としての働きに加え、健やかな身体のために欠かせないとても重要な役割を果たしています。
しかも女性に脂肪がつきやすい、痩せにくいのは自然の摂理なのです。
母体となりえる女性の身体は妊娠、出産、育児を前提にエネルギーを蓄えようとする仕組みがある為、もともと脂肪がつきやすいのです。
ですからやみくもに痩せようとして、大切な脂肪まで落としてしまっているかもしれないです(゜゜)。
そこで、脂肪と向き合ってみましょう!!
脂肪はスゴイ!!脂肪から分泌!身体を守るヒーロー「アディポネクチン」
これまで単なるエネルギーの貯蔵庫としか見られていなかった脂肪細胞が、実は重要な物質を生み出す役割を担っていたのです。
それが・・・「アディポネクチン」です。
脂肪が生み出していたのは多彩なアディポサイトカイン(生理活性物質)そして、そんなアディポサイトカインの中で、超善玉として今、最も注目されているのが「アディポネクチン」です。アディポ=脂肪、ネクチン=くっつくという意味で名づけられたホルモンで、血液に乗って全身をパトロールし、血管壁に傷ついた部分や炎症を見つければ、素早くそこにくっついて修復してくれるので、体内の“消防隊”とも呼ばれているそうです。
「アディポネクチン」は血管を修復するほかに、高血圧や動脈硬化を予防・改善したり、また、インスリンの働きを良くして糖尿病を防いだり、余分な脂肪の燃焼をサポートして脂質異常症から守ってくれたりと、主に生活習慣病対策のために大活躍します。
「減らしたい」と思っていた脂肪が、実は私たちを救ってくれるヒーローの生みの親だったのです☆彡
では、私たちの身体にとって良い
「アディポネクチン」の分泌量は増やせるのでしょうか??
健康のために無くてはならない脂肪ですが、肥満になるほどたくさんあってもいいということではないです。
脂肪の中には、「アディポネクチン」のような善玉物質だけでなく、悪玉物質も同時にうんでしまうので要注意!!そして悪玉物質は内臓脂肪が増えると、多く分泌されます。
体内の“消防隊”となって生活習慣を予防・改善してくれる「アディポネクチン」はどんどん増やしたい。また、悪玉物質の増加を抑えたい・・・
そのためにはどうすればいいのでしょうか??
それは、内臓脂肪に意識を絞ればいいのです。脂肪の中で健康を左右するのは内臓脂肪!適切な脂肪量で「アディポネクチン」はパワーアップする。
太っているからといって必ずしも内臓脂肪も多いとは限りません。
ですから身長と体重から割り出すBMIで肥満と判断されても、皮下脂肪が多く、内臓脂肪は少ないというケースもあります。逆に痩せて見えていても内臓脂肪が多い隠れ肥満にも要注意です。
内臓脂肪のチェックには腹囲測定が有効です。
男性なら85cm未満、女性は90cm未満に抑えるのが良いとされています。
腹囲測定を日常的に行い、内臓脂肪に意識を向けていきましょう。
☆過剰な内臓脂肪を減らすことで「アディポネクチン」を増やし、その働きを存分に受け取るために、日常生活でできる事を紹介します。
1.運動・・・適切な脂肪量をキープ!運動をするとまず燃え出すのが内臓脂肪、燃焼しやすい性質があります。
2.大豆食品・海藻類の摂取・・・豆腐や納豆になどの大豆食品に含まれるベータコングリシニン、海藻類に多い食物繊維、青魚に豊富なEPAなどが「アディポネクチン」を増やすと考えられています。
運動とセットで考えることが重要です。
3.「アディポネクチン」似の成分を食品で・・・リンゴ、ブドウ、トマト、ピーマンといった果物や野菜から「アディポネクチン」と似た構造を持つ物質、オスモチンが同様の効果を期待できる。
これもやはり、運動にプラスαすることが重要です。
4.禁煙・・・「アディポネクチン」の分泌妨げる最も大きな要因が喫煙です。
百害あっても一利なしです。
紹介した方法を参考に適切な脂肪量を保ち、「アディポネクチン」を活性化させることで、ただ痩せればいいという考えから卒業し、健康的な”真のキレイ”を目指しましょう(^O^)!!
参考資料:ロート株式会社「太陽笑顔fufufu」より引用
脱水と認知症の異常行動の関係について
認知症の人の異常行動で頻繁に見られるものの1つが、夜になると騒ぎ出すというケースです。
昼間はふつうだったり、おとなしかったりするのに、夜になると興奮し、大声を上げたりします。暴言を吐いたり、暴力をふるったりする人もいます。
こうした行動は、体内の水分不足によっておこることが大半です。
調べてみると、そうした患者さんは、1日の水の摂取量がかなり少ないことが分かっています。
★少なくとも1日に摂取すべき水分の標準値は、1500mlです。
アルコール以外であれば、お茶でも、水でも、ジュースでもなんでも良いです。
夜に騒ぎ出す人は、調べてみると半量の750mlも飲んでいません。こうした人は午前中おとなしいのに、午後の遅い時間や夕方、また夜に興奮状態になります。
日中は水分が足りていますが、夕方にかけて脱水は徐々に進行し、それが認知力の低下をひき起こし、興奮状態が高まったと推測できます。
こうした異常行動を抑制するために、睡眠導入剤や、向精神薬が処方されます。しかしこれらの薬を飲めば、夜間の異常行動は抑えられるかもしれませんが、
残念ながら根本的な解決にはなりません。
それどころか、認知症が悪化してしまいます。
根本の原因は、
脱水を起こしているところにあります!!
ですからとにかく水を飲ませることが重要です。
1日1500ml、ときにはそれ以上の量を飲んでもらいます。
すると1~2日で必ずと言ってよいほど効果が現れます。
水分が補われたことによって意識の覚醒水準が上昇し、意識がしっかりするため、夜の興奮状態が生じることもなくなるのです。
この、夜になると騒ぎ出すというパターンの症例では、各地の介護施設で試し、水分の補給がほぼ100%効果があるとわかっています。
ほかにも、多くの認知症の特徴的な行動が、水を飲むことによって改善します。
参考資料:ボケは脳の病気ではない 竹内 幸仁 より引用