食べている時に、口の中で何が起こっているでしょうか?
食べている時に、口の中で何が起こっているでしょうか?
まず、お箸で食べ物を口の中に入れ、箸置きにお箸を置いてみましょう。
一噛み目は必ず、同じ場所に食べ物を置いてから噛んでいるのがわかりますか?
食べ物を口の中に入れるたびに観察してみましょう。必ず同じ場所に食べ物を置いています。
その後、下顎が動くのと同時に舌が絶えず動き、舌や頬粘膜を噛まないように歯と舌と頬粘膜を連動させ歯の上に食べ物を乗せて噛んでいます。
歯の根っこの周辺の靭帯、舌、頬粘膜で、食べ物の大きさや硬さを感知して、脳にその情報を送り、豆腐は弱く、お肉は強く噛むように、どれぐらいの強さで噛むか筋肉に指令を出し噛む力を加減しています。
何回か同じ場所で噛んだ後、舌で食べ物を左右に移しながらいろんな所で噛んでいます。
早食いだと食べ物を他の場所に移す前に飲み込んでしまうので、噛みやすい場所の歯を酷使し、その歯や歯ぐきが弱くなる可能性があるのでよく噛むことは大切です。
よく噛むと、唾液と食材が絡み合い、味にも変化がでてくるのがわかります。
お米は最初は味がわかりにくいですが、しばらくすると甘く感じますよね。
同じ食材でもよく噛むことで、いろんな味を楽しむことができます。
ある程度、食べ物を粉砕すると、リズム運動に切り替わります。
リズム運動に切り替わると、脳幹という古い脳が働き、セロトニンというホルモンが分泌されストレスやイライラを解消してくれるといわれています。
よく噛まないとセロトニンも出にくく、イライラやストレスが解消しにくいのかもしれません。
噛んで飲み込みやすい状態になったら、舌で食べ物を喉の奥に移動させます。
飲み込む瞬間に口を閉じ、息を止めます。
この一連の作業を終えて、咽頭、食道、胃の活動をよくします。
早食いの人は咽頭、食道、胃の活動が弱くなり、消化にも時間がかかるので消化器の働きも悪くなります。
満腹感も感じにくく沢山食べてしまいます。
・食材の味を今までよりも繊細に感じることができた。
・夜遅くに食事をしても胃がもたれなくなった。
・一回あたりの食事の量が減り、少量でも満腹になった。
・食後の間食などをしなくなった。
・テーブルや小皿が汚れにくくなり、片付けが楽になった。
・便通がよくなった。
・食事にゆっくり時間をかけるようになった。
・よく噛むことで気持ちが落ち着き、ストレスが少し軽減された。
・可愛い箸置きを見るたびに癒された。
口の中に頬張って、飲み込むまでに、歯、舌、頬粘膜、神経、脳、筋肉が総動員しています。
食卓に箸置きを置いて、口の中を観察し、食事をもっと楽しみましょう。
噛む回数を増やす工夫
こんにちは
今回は「噛む回数を増やす工夫」についてです。
咀嚼の効能
咀嚼にはいろいろな効果があります。
詳細は健康ブログの2013年7月22日からの「咀嚼の効能」をご覧ください。
噛む回数を増やす工夫
①パンよりごはん
ごはんはパン食より噛む回数が多く、砂糖を含まず虫歯になりにくいです。
朝はパン党の人も、週に1、2度はごはんにしてみましょう。
具材を大きく切ったり、硬めにゆでたりする。
ナッツ類や食物繊維が豊富な野菜、弾力性のある食材の種類を増やすと、噛む回数が増える食べ方になりやすいです。
③食事の形態と味
定食型が良く、朝は一汁一菜、夜は一汁三菜(多菜)という日本型の食生活がおすすめです。
味の濃いものは、味覚を感じやすく、すぐに舌が満足してしまいます。
薄味にすることで、より味わおうするようになるため、噛む回数が増える傾向にあるようです。
④「口中調味」
ごはんとおかずを交互に食べて口の中で混ぜ合わせる、
食感の違うものを、口の中に入れてから噛んで混ぜ合わせる方が噛む回数も増えます。
⑤一口量を減らす
量にかかわらず、一口で噛む回数はあまりかわりません。
一口の量を減らせば、食事一回で噛む回数が増えます
早食いにならないように、口の中に食べ物を入れて、口の中が空になるまで箸を箸置きに置きます。
同じ食事でも今までと違った食感、味わいを感じることができて、食事も楽しくなります。
是非、食卓に箸置きを!
百歳まで歩くためのコツ
ある時ふと、腹筋が無い事に気付いたり、病気や治療施設で、筋肉の低下を指摘されたことはありませんか?若い時につけた筋肉は貯金(筋)されません。筋肉は動かさないとどんどん縮んで筋力の低下の原因になります。特に中高年になると、なにかにつけ出るようになる腰痛と膝痛。予防には、姿勢を支える腰周辺の筋肉や、歩行に関わる脚筋などの筋力の低下に早目に気付くことです。今のうちに、腰痛や膝痛のない筋力づくりをしておくことは、転倒などのケガを防いで、将来的に寝たきりにならない未来をつくります。今回のブログでは日常で簡単にできる「座る、立つ、歩く」といった日常動作に関わる筋肉を鍛える方法など、百歳まで歩くためのコツをご紹介します。
❀建物内や駅などではエスカレーターやエレベーターは避けて、できるだけ階段を使う。
❀電車やバスを待っている間や信号待ちの何十秒かの間に「片足立ち」を繰り返す。
❀重心移動しやすい靴など、靴選びも歩ける筋肉づくりに大切です。靴底に表記されているEEやEEEといった表示がウイズといわれる足の幅の表示で、
細いほうのAAAAAからGまであります。さらにフィットさせるためには「中敷き」
もおすすめです。
❀なるべく膝を伸ばした状態を保ち、足の裏の母趾をしっかり地面につくようにして立つ。
❀外出ではショルダーバックは避け、荷物はできるだけ両手に分けて持つようにする。
正しい姿勢
❀今のうちに「姿勢」と「歩き方」を見直すだけで、将来の歩行や自立に大きな差がですます。
参考著書:百歳まで歩く 田中尚喜
脳の疲労とマインドフルネス
こんにちは(^^♪
今回は「脳の疲労とマインドフルネス」についてです。
脳は体重の2%ほどの重さしかないにも関わらず、身体の消費する全エネルギーの20%も消費する「大食漢」です。
脳が消費するエネルギーの大半(60~80%)はデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)という脳の回路で使われます。
このDMNは脳が意識的な活動をしていないときに働くベースラインの活動です。
意識して何かをしていない時にも活動している自動車のアイドリング状態をイメージしていただくとわかりやすいです。
「一日ぼーっとしてたのに、なぜか疲れがとれなかった」
「たっぷり寝たはずなのに、なぜか頭がだるい」
「集中力が続かない。いろんなことが気になってしまう」という人は、このDMNを過剰に使っているかもしれません。
ぼーっと空を眺めたり、寝床に入って寝入ろうとしても、「同僚との嫌な言葉のやり取り」や、「やりくりが難しくなった家計」、「明日の夕飯の用意」など、いろいろな雑念が頭に浮かぶような状態は過度な脳のアイドリング状態が続いていて、DMNを大量に消費しています。
現代社会の中で、タスク(作業)の量が増えたり、一度に複数の作業をするマルチタスクを抱える場面が増えてきました。
せわしない現代社会の中で、真面目にタスクに対して向き合いすぎると、気づかないうちにDMN活動量が増え、必要以上に脳が働きエネルギーを無駄遣いしている状態が続いてしまい脳が疲れていきます。
そこで、最近アメリカで大流行しているのが、脳の疲れをとるマインドフルネスです。
マインドフルネスは「瞑想などを通じた脳の休息法の総称」です。
現在、グーグル、インテル、フェイスブックなどの巨大企業でもマインドフルネスを従業員に取り入れ、彼らの脳の疲れをとりパフォーマンスを上げることで、実際に企業の業績を伸ばしています。
注意散漫、無気力、イライラなどは脳疲労のサイン。
脳の疲れに覚えのある人には以下のようなマインドフルネス呼吸法がお勧めです。
①基本姿勢をとる
・椅子に座る(背筋を軽く伸ばして、背もたれから離して)
・お腹はゆったり、手は太ももの上、脚は組まない
・目は閉じる(開ける場合は、2メートルくらい先を見る)
②呼吸に注意を向ける
・呼吸に関わる感覚を意識する(鼻を通る空気/空気の出入りによる胸・お腹の上下/呼吸と呼吸の切れ目/それぞれの呼吸の深さ/吸う息と吐く息の温度の違いなど)
・深呼吸や呼吸のコントロールは不要(自然と呼吸がやってくるのを「待つ」ような感覚で)
・呼吸に合わせて1から10まで数えるのも効果的。
③雑念が浮かんだら…
・雑念が浮かんだ事実に気付き、注意を呼吸に戻す(呼吸は「意識の錨」)
・雑念は生じて当然なので、自分を責めない
POINT
・1日5分でも10分でもいいので、毎日続けることが大切
・同じ時間、同じ場所でやる(脳は「習慣」が大好き)
マインドフルネス呼吸法の効果
・ストレス低減
・雑念の抑制
・集中力・記憶力の向上
・感情のコントロール
・免疫機能の改善
マインドフルネス呼吸法をして、疲れづらい脳をつくっていきましょう(*^^)
健康長寿のヒント~今注目の超百寿者~
こんにちは!今回のテーマは健康長寿のヒント~今注目の超百寿者(105歳以上の人)~です。
健康長寿のモデルとして「超百寿者」(105歳以上の人)が注目されています。近年の研究で長命なだけでなく、介護なしに自立して暮らす「健康寿命」も長く維持している人が多い傾向が分かってきたからです。どうすれば長く自立できるのでしょうか。
2015年の国勢調査では、100歳以上の人(百寿者)は6万1763人。そのうち超百寿者は3916人に限られます。25年前から百寿者などを調査する、慶応大医学部の百寿総合研究センターによると、百寿者のうち自立している人は約2割だそうです。この約2割の人の多くが105歳以上に達していることから、同センターは超百寿者に着目しました。病歴などを調べ、遺伝子を分析し、「健康寿命の長さを決める要因は何か」実態や傾向などを探ってきました。
心筋梗塞などの原因となる動脈硬化や、糖尿病の人の割合が低いことが浮かび上がり「若い時に肥満だった人は、ほとんどいない」と分かりました。ただ安易なダイエットは禁物で、一般的に75歳前後からは筋力や体重が落ち、虚弱という状態に陥りやすいです。百寿者の食事を調べてみると、概してしっかり食べています。また日頃の身体活動の量を落とさないことも大切で、外出する人ほど活動量が多く、外交的な性格の方がよいみたいです。百寿者は開放的で社交性が高く好奇心が強いなどの傾向があることが、これまでの百寿者研究で明らかになってきました。
気が遠くなるような超百寿者はともかく、日頃からバランスよくしっかり食べて、前向きに人と関わりながら楽しく生きて、ピンピンコロリを目指しませんか(*^^)v
参照:衛生学・公衆衛生・予防医学/福島民友(共同)2017年1月30日(月)
不眠が及ぼす影響
こんにちは♪
今回の健康ブログは「不眠が及ぼす影響」についてです
米・コロンビア大学で行われた研究で、睡眠時間が短ければ短い程、肥満度が上がるということがわかりました。
原因として、「レプチン」と「グレリン」という2つのホルモンの乱れが挙げられています。
レプチンは、代謝アップや食欲抑制の命令を脳に送っています。
グレリンは、脳の視床下部に食欲増進と血糖値上昇の命令を出しています。
睡眠時間が短いとホルモンバランスが乱れ、レプチンを減らして代謝を落とし、グレリンを増やして食欲を増加させるという命令を出し肥満度があがっていきます。
また、起きているとつい食べてしまうことが多くなります。
睡眠不足の時には、お菓子などの甘いものやチップスやナッツなど塩辛いもの、パンやパスタなどの炭水化物を欲しがる傾向があるようです。
睡眠不足と糖尿病
糖尿病というと、食生活の乱れや運動不足、肥満、遺伝などの原因を思い浮かべる人が多いと思いますが、実は睡眠不足も糖尿病の原因の一因であるという研究報告があります。
睡眠不足は、交感神経を活発にするホルモンの分泌が増し、血糖・血圧・心拍数を上昇させ、血糖値を下げるホルモンでもあるインスリンの効きを悪くしてしまいます。
睡眠不足だと日中に眠気が生じ、無気力状態となってしまうため、動くのが億劫になり運動不足になりやすいです。
生活習慣病の中で最も患者・予備軍の多い高血圧。
アメリカ・シカゴ大学の研究によると、睡眠時間が6時間と5時間のグループを比較すると、5時間のグループが高血圧になる割合が37%も高かったそうです。
さらに睡眠障害(睡眠時無呼吸症候群)などがあると高血圧のリスクはより高まります。
健康な人の1日の血圧の変化は、起床時から血圧が上昇し、80~120mmHgあたりで日中を過ごして夕方を迎え、少しずつ血圧が低下し、眠っている間は低くなります。
これは、日中の活動時には交感神経が優位になり、就寝中には副交感神経が優位になるからです。
睡眠不足や睡眠障害で自律神経のバランスが乱れ、交感神経が優位になると日中同様、血圧が高くなります。
夜間や早朝の高血圧は一般的な高血圧に比べ「心筋梗塞」や「脳卒中」のリスクが6倍にもなるそうです。
また、高血圧は糖尿病と相互的に悪影響を及ぼすため、すでに糖尿病や高血圧を患っている場合は特に注意が必要です。
十分な睡眠をとって病気を予防しましょう(*^_^*)
参照: Men’HOLOS OMRON 糖尿病の治療と予防ナビ
眠れたつもりでも睡眠不足?
本来必要な睡眠時間は普段の睡眠時間より平均1時間ほど長い
毎日よく眠れて寝不足の自覚がない人でも、本当に必要な睡眠時間に足りていないかもしれません
国立精神・神経医療研究センターの三島和夫部長らのチームが、20代男性への睡眠試験を基にこんな警告を発しています。
20~26歳の男性15人に光や音を遮断した部屋で9日間寝てもらう試験を行いました。
9日間にわたる試験では、夜の10時から朝10時までの12時間、どれだけ睡眠が延長するか観察しました。
15人の普段の睡眠時間は平均7時間22分で、同年代の平均と同じくらいです。
全員が睡眠不足の自覚はありませんでした。
睡眠延長試験に入ると、ほとんどの人に初日は10時間以上眠る「リバウンド」と呼ばれる現象が現れ、その後約1週間かけて睡眠時間が徐々に減り安定化する傾向が見られました。
睡眠時間の測定値から個人ごとに最適な睡眠時間を推測すると、平均8時間25分(必要睡眠時間)でした。
普段の睡眠時間との差は1時間(潜在的睡眠時間)
1時間自覚していない潜在的な睡眠不足があると結論づけたそうです。
睡眠時間の確保の妨げになっていることとして、睡眠時間が6時間未満の男性の37.1%が仕事、女性の21%は家事をあげています。
睡眠時間の確保のために、就労時間の短縮、就寝前の携帯電話、メール、ゲーム、テレビ、読書などはやめる、家事のサポートなどに取り組んでみませんか?
潜在的な睡眠不足を解消すると、肥満、糖尿病、高血圧などの予防にもつながります。
次の健康ブログは「不眠が及ぼす影響」についてです
参照: 朝日新聞 2016/11/20 沖縄タイムス 2016/11/13
都道府県の健康ランキング
こんにちは。毎日寒い日が続きますが元気にお過ごしでしょうか?今回のブログでは各都道府県の長寿と健康寿命のランキングをご紹介します。
平均寿命ランキング
厚生労働条が公表した2010年の平均寿命ランクでは長野県がなんと男女ともにトップです。かつて長野県は海が無 いため保存用に塩辛い食べ物が多く、塩分の摂取量が多かったため、脳卒中の死亡率が全国でワースト3に入るほどで1965年の平均寿命は男性が68.45歳(全国9位)女性が72.81歳(全国26位)と、もともと健康長寿県とは言い難い状態でした。そこで県内自治体は、住民向けの食事指導で減塩の調理法などを伝授し、この成果もあって、塩分摂取量は減少し、平均寿命も延びました。その他に高齢者の有業率が男女とも全国一であること、畑仕事をする人が多いことで心身に好影響を与えていることも理由と考えられているそうです。一方でかつて長寿県の代名詞だった沖縄県は女性がトップの座を明け渡し3位に、男性は29位に位置します。その原因の一つとして沖縄の伝統食から米国食文化の下ひろがったステーキやファストフード店の展開による洋食化が指摘されています。長野県は生活習慣を改善して長寿県としての地位を確固とする一方、沖縄県は食生活の西洋化から長寿が崩壊してしまいましたが、県民の努力次第で変えられることもあることがこの平均寿命ランクが示唆しているといえるでしょう。
健康寿命ランキング
最近目にする機会が増えた「健康寿命」ですが、これは世界保健機関(WHO)が提唱した概念で、日本では国民生活基礎調査の「あなたは現在、健康上の問題で日常生活に何か影響がありますか」という設問に「ない」と回答した割合などを基に算出され、健康状態だけでなく、高齢者の「自立度」「元気度」「生きがい」などが総合的に反映された指標と見ることができます。平均寿命から健康寿命を引いた「自立した生活ができない期間」を短縮することは、将来的に医療介護費の抑制につながると考えられています。13年の健康寿命では山梨県が男女ともトップで、理由として山梨県は12年の高齢者の有業率(高齢者人口に占める働いている人の割合)が男女とも全国2位であることと、無尽(むじん)と呼ばれる住民コミュニティーが盛んで、無尽の食事会など定期的に親睦の場に顔を出す機会がり社会と接点を持つことが張り合いになっているのではといわれています。
このように高齢になっても働き先があったり、人と関わったりすることは健康寿命を延ばすのかもしれませんね。
参考著書:週刊エコノミスト2016.11.29
1日1万歩歩く
こんにちは!今回のテーマは「1日1万歩歩く」です。
平日の夜、ましてや昼間にジムに行ける人はいないでしょうし、週末もなんだかんだ用事があり通えないのではないかと思います。そこで、「普段の生活の延長で、体のメンテナンス」を行うことが大事であり、その1つが歩くことです。代謝が良くなり、運動習慣も身につき、歩くと第二の心臓と言われるふくらはぎの血行も良くなるので、一石二鳥です。
みなさん、1万歩歩くにはどのくらいの時間が必要かご存知ですか。答えは、大人ならざっと1時間40分、つまり100分。100歩には1分、1000歩には10分が必要なのです。「勤務・通勤時間や睡眠時間を除いて、自由に使える時間が1日に5時間しかないのに、100分間も歩くのなんて無理だ」と思う人もいるでしょう。そう考える人は、まずは自分が1日にどれくらい歩いているかを測定するところから始めてみましょう。なにも、現状に1万歩プラスして歩けと言っているのではありません。足りない分を補って、1万歩にすればいいのです。
今はスマートフォンで使える歩数計アプリがいくつもあるので、試しにそれでカウントしてみると、1万歩に何歩足りないかが分かります。もしすでに5000歩歩いていたとしましょう。とはいえ実はこれは、控えめな試算です。国民健康・栄養調査によると、日本人(成人)の平均歩数は男性で7043歩、女性で6015歩なので、毎日すでに平均分は歩いているとすると、あと3000歩から4000歩プラスして歩けばいいだけなのです。時間に直すと30~40分余計に歩けば目標は楽々クリアです。しかも、ウエアを着て腕を振ってのウォーキングでなくても構いません。ただただ歩けばいいのです。
この40分間は、たとえば仮に2時間とした通勤時間の中でも捻出できます。具体的には、エスカレーターを使うのを止める。いきなり階段を使おうとなると勇気も要りますが、なにも4000段の階段を一気に上がるわけではありません。20段、30段積み重ねればいいのです。それでも足りなければ、目的地の一駅前で電車を降りて歩き、目的地から一駅離れたところまで歩いて電車に乗る。疲れていてわざわざ運動をしたくないと思う時こそ、通勤時間内で歩くようにします。そうやって歩数を稼げば、家に帰ってから改めてウォーキングにでかける必要はありません。こうなると、歩きにくい靴は履きたくなくなるでしょう。歩く習慣を身につけるために、靴を見直してみるのも「投資」のひとつです。
場合によっては、運動をせざるを得ない状況に自分を追い込むことも必要です。例えば、自宅から歩いて10分の距離のところにある店を行きつけにする、コンビニは最寄りの所には行かない、自転車は処分するなどです。ちょっと難しいかもしれませんが、一番いいのは駅から離れた場所に引っ越すことです。駅から15分の所に引っ越せば、往復30分、3000歩が確保できます。極論ではありますが、これだって自分への投資です。投資ですがお金はかかりません。むしろ、駅からすぐのところに比べると家賃は安くなるはずです。
最近は、「歩くとポイントが貯まる」というサービスも始まっています。その1つがTSUTAYAのスマートフォン「TONE」です。本サービスの大きな特徴は、TONEを持って8000歩・中強度20分の運動をクリアすることで、T ポイントが1ポイント貯まるという点です。実は“歩数”というのは、日本から輸出された数少ない健康管理の指標なのです。同研究では、1日に8000歩かつ中強度20分の運動を行うことで、糖尿病や高血圧のリスクが下がっていることが明らかになっています。また、最も健康効果が高いのは中強度の活動です。運動強度が弱すぎる場合、健康効果があまりないことが分かっています。一方、強すぎる運動は活性酸素を発生させるので、健康維持の観点ではお勧めしづらいです。
また、ネオスが提供するアプリ「RenoBody」をインストールしたスマートフォンを持って歩くと、イオンのWAONポイントが貯まります。1日8000歩以上で1WAON POINTを取得でき、そのポイントはお買い物や寄付などに使用できます。
このように同じようなサービスの登場は今後も考えられます。歩くモチベーションが上がる人は増えこそすれ、減りはしないでしょう。動く歩道に立っているより、歩いた方が「お得」なのです。是非みなさんも、このようなお得なアプリを活用したり、ちょっとした工夫を日常の生活に取り入れ、健康増進を目指しましょう!
参考著書:気力より体力 吉越浩一郎
わかっちゃいるけどやめられない!
こんにちは*
今回は、マシュマロ実験についてのお話をご紹介したいとおもいます。
マシュマロ実験とは。。。
かつて米国スタンフォード大学で行われた実験で4歳の子供が机と椅子だけがある部屋に案内されます。
机の上の皿にはマシュマロが1個乗せてあり、実験者は子供に対し『マシュマロは君にあげるけど、私は15分たったら戻ってくるから私が戻るまでに食べるのを我慢したらもう1つあげるよ。だけど私がいない間にそれを食べたら2つ目はあげないよ。』と言って部屋を出て行き、子供たちの行動をカメラで記録するという実験です。
実験に参加した186人の子供のうち最後まで我慢できたのは全体の3分の1であり、映像を分析した結果我慢できた子供はマシュマロから目をそむけたり後ろを向いたりしてマシュマロを見ないようにしたりマシュマロから注意をそらそうとする傾向が認められました。
これに対しマシュマロを凝視したり触ったりした子供は最終的に食べてしまう確率が高いという結果になりました。
そして十数年後、この実験は追跡調査が実施され当時マシュマロを食べなかった子供は周囲から優秀と評価され大学進学適性試験も食べた子供と比べて高得点であるなど、最初の実験における結果が子供たちの成長後の社会的成功度との間に関連性があることが示されました。
この調査から着目したいのは自制心と社会的成功度ではなく、 食べずに我慢した子供たちと食べた子供の マシュマロを目前にした行動の違いです。
2つ目を手に入れた子供は気をそらすための行動の工夫ができたということです。
つまりマシュマロを食べないことによる負担をうまく軽減できた子供たちが2つ目のマシュマロを得ることができたと考えられます。
このマシュマロを食べないほうがいいことがわかっていても、食べてしまった子どもたちの気持ちは大人に置き換えても理解ができます。
例えば、喫煙は体によくないとわかっていても容易に禁煙することができない。
これは喫煙者にっとて禁煙すること自体の負担がとても大きいためです。
しかしながらマシュマロ実験で我慢できた子供のように喫煙から無理なく目をそらすことができれば負担なく禁煙できるのです。
飽食、運動不足、深夜のテレビ鑑賞などあらゆる生活習慣に当てはめることができます。自分の悪しき生活習慣に心当たりがある人はマシュマロ実験の子供のように無理なく目をそらす工夫を考えてみてはどうでしょうか。
その先には我慢できた子供の十数年ごのようにさらなる社会的成功が待っているかもしれません。