眼の健康と栄養素
今回は「眼」についてお話しします。最近、加齢性眼疾患と生活習慣や栄養素の密接なかかわりを示す研究も発表されているそうです。
☆目はとても繊細な部位
私たちの体は皮膚によって外部の刺激から守られています。また、髪の毛や体毛でさらに厳重に守られている部分もあります。しかし、眼球は外部の光を受ける必要がある部分なので、皮膚も毛も無くむき出しの状態です。細胞にダメージを与える太陽光の害を直接、長年にわたって受けてしまう眼球は様々な疾患を患いやすく、体の内側からの防御がとくに重要です。
☆加齢に伴う眼の疾患の例
*加齢黄斑変性症(AMD)
高齢者の視力障害で多くみられる疾患で、網膜の「黄斑」と呼ばれる部位が太陽光、放射能の暴露、喫煙、高血圧の影響で形が変形してしまい、物が歪んで見えたり、視力が低下してしまう疾患です。症状が進むと失明の可能性もあります。
*白内障
眼の水晶体が白や茶色に濁って見えにくくなったり、視力が低下してしまう疾患で、加齢が原因のものと先天性のものがあります。加齢性白内障は太陽光、放射線、糖尿病、喫煙、飲酒による酸化ストレスの増加により進行するといわれています。
☆目の健康に役立つ栄養素
*ビタミンC・・・強力な酸化剤として活性酸素を消去して酸化ストレスを低下させます。
*ビタミンE・・・抗酸化作用に加え、免疫力を向上させ、網膜症などの糖尿病合併症を抑制します。
*ベータカロテン・・・夜盲症や眼の乾きを予防したり、免疫力を向上させて感染症を予防します。
ニンジン、赤じそ、パセリ、ケールなど
*亜鉛・・・視力の維持、細胞の再生促進、免疫力の向上に役立ち、抗酸化ミネラルとして酸化も防ぎます。 蠣、うなぎ、大豆など
*ルテイン・・・黄斑部に存在する色素で、抗酸化剤として眼の細胞組織を守ります。緑色の野菜や果物に多く含まれます。 ケール、ほうれん草など
*ゼアキサンチン・・・黄や橙色の野菜や果物に多く含まれ、ルテインと同様に抗酸化剤として働きます。 パプリカ、ほうれん草、マンゴーなど
*EPA・DHA・・・魚油に含まれるオメガ3系脂肪酸で、炎症抑制効果や血液循環を良くしたり、ルテインの吸収を助ける役目があります。 青魚・・まぐろ、かつお、あじなど
*ビルベリー・・・赤紫色の色素のアントシアニンが、強力な抗酸化作用せ活性酸素のダメージを抑えたり、血行を改善させる働きをします。
参考資料 株式会社ヘルシーパスニュースレター
サプリメントでダイエット??
今回はサプリメントとダイエットについてお話します。
サプリメントだけで痩せられるのでしょうか
☆怪しいダイエットサプリには要注意
世の中には、ダイエット用サプリメントが溢れていますが、飲んでいるだけで「痩せる」サプリメントはありません。甘い言葉に誘惑され、ついつい購入してしまう方も多いですが、ダイエットサプリメントには、医薬品成分のステロイドまたはステロイド類似成分や、食欲抑制剤等をこっそりと配合して、体重を減らす代わりに健康を蝕んでしまうものもあり注意が必要です。過去には、違法なダイエットサプリメントで、死亡を含む重篤な健康被害が生じた事例もあります。
☆脂肪燃焼に役立つ栄養素
脂肪を積極的に燃焼させ、効果的にダイエットしたいという消費者のニーズを受けて、ダイエット用の様々な素材が研究されており、エビデンスの出ているものや、メカニズムが分かっているものもあります。
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≪L-カルニチン≫
私たちの身体は。脂肪や糖分を細胞内の「炉」ともいえる「ミトコンドリア」で燃焼させてエネルギーを作り出しています。
脂肪は、そのままではミトコンドリア内膜を通過することができません。ミトコンドリア内部まで脂肪を運ぶ役割を果たす成分が「L-カルニチン」です。
L-カルニチンは、ヒツジ肉やカツオ肉に比較的豊富に含まれています。
【L-カルニチンのダイエット効果】
カロリーを抑えた食事と適度な運動を組み合わせた場合、L-カルニチンの補給は肥満している人の体重減少に役立つそうです。
≪茶カテキン≫
カテキンは、水溶性のポリフェノールで、緑茶や紅茶の渋み成分として知られています。
カテキンには、強力な抗酸化作用があり、がん予防にも効果が期待されているほか、血糖値上昇の抑制、血圧低下作用も知られています。
【茶カテキンのダイエット効果】
茶カテキン(約500㎎)の8-12週間の摂取で、体重、体脂肪、ウエスト周囲径、ヒップ周囲径が減少、CT撮影による内臓脂肪面積の減少、遊離脂肪酸と中性脂肪値の改善などが報告されているそうです。
≪ビタミンB群≫
ビタミンB1、ビタミンB2,ナイアシンなどのビタミンB群は、脂肪の代謝のほか、糖質、たんぱく質の代謝に欠かすことのできない栄養素です。ビタミンB群が足りないことで、脂肪、糖質、たんぱく質の代謝が進まず、体内に蓄積されてしまいます。
≪CoQ-10≫
CoQ-10の体内における主な働きは、電子伝達系における補酵素として体内のエネルギー単位であるATPの産生に関与することです。また、脂質代謝を促進するので、体重減少にも効果が期待されています。
運動との組み合わせが必須です
栄養素の中には、脂肪燃焼やダイエットに効果が期待されているものがあります。しかし、前述のように、摂取しただけで痩せられるわけではありません。
特にL-カルニチンは、いくら補給したとしても、脂肪燃焼のきっかけを起こさなければ全く意味がありません。L-カルニチンを摂っても、ごろごろと寝ているだけでは決して痩せません。論文の中での紹介でも「運動と組み合わせた場合」との但し書きがあります。
ダイエットの成功のためには、安易にサプリメントを利用するのではなく、運動する習慣を持ち、食生活を見直すことが、もっとも効率的で、確実な方法です。
参考資料 株式会社 ヘルシーパスニュースレターより
なお、ツインデンタルクリニックでは、食事、運動のアドバイスを無料で行っておりますので。治療やクリーニングの際にお話しさせていただいておりますので、お気軽にお尋ねください
お酒と上手に付き合う栄養学
こんにちは。だんだんと寒くなってきましたが、体調いかがですか
年末が近づいて歓送迎会、忘年会などでお酒を飲む機会が増える季節ですね。
そこでお酒と上手に付き合うための栄養学的なアプローチをご紹介します。
☆お酒について
お酒には、ビール、日本酒、ワイン、焼酎、ウィスキーなどがありますが、それぞれ原料、製造方法、アルコール度数、カロリーが異なります。基本的には蒸留酒と呼ばれる焼酎、ウィスキーなどはアルコール度数が高く、醸造酒と呼ばれるビール、日本酒、ワインのアルコール度数は低めですが、カロリーは高くなります。
お酒を適度に飲むと、アルコールの末梢神経拡張作用で血の巡りが良くなり、副交感神経が優位に働くため、リラックス効果が期待できます。また、イギリスの男性1422名を対象にした研究によると、過度の飲酒(34g/日以上*)者の死亡率が高い一方、非飲酒者よりも適度な飲酒(34g/日以下)をする人は死亡率が低いこともわかっています。*日本酒 約1合のアルコールが30g
☆二日酔いにならないために
お酒で良い気分になりたくても、悪酔いはしたくないものです。そのためには、アルコールが体内でスムーズに代謝される必要があり、その代謝経路にかかわる栄養素が十分にある状態に保つことが大切です。
<アルコール代謝のメカニズム>
体内に入ったアルコールは、肝臓でアセトアルデヒドという毒性の強い物質に変換されます。肝毒性が強いアセトアルデヒドは、ほとんどがALDH2(アルデヒド脱水素酵素)によって無害な酢酸に変換され、その後、ほとんどが糖分(グルコース)と同じ代謝経路でエネルギーに変換され、最終的に二酸化炭素と水になります。
この一連の代謝で特に必要な栄養素はナイアシンです。
≪二日酔いや悪酔い対策に有効な栄養素≫
これらの栄養素が豊富な肉や魚などを補給することがお勧めです。
○重要な栄養素
ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB2、ビタミンB1、ビオチン、パントテン酸、亜鉛、アミノ酸、CoQ10、クエン酸
○食品では・・・
鶏のささみ、刺身、レバー、イワシ、たらこ、あんきも
☆お酒の強い人 弱い人
同じ量のお酒を飲んでも、顔色さえ変わらない人もいれば、すぐにダウンしてしまう人もおり、それは個人がもつ遺伝子によって決まっています。
≪ALDH遺伝子多型≫
アセトアルデヒドを無害化させるALDH2という酵素を活性化させる遺伝時の有無が、個人のお酒の耐性に深く関わります。ALDH遺伝子には2種類あり、その2種類の組み合わせによって、お酒への強さが変わります。
・ALDH2 活性型ホモ遺伝子 :お酒に強い
・ALDH2 活性型/不活性型ヘテロ遺伝子:飲めるが弱い
・ALDH2 不活性型ホモ遺伝子 :全く飲めない
なお、日本人の約40%はALDH2不活性型遺伝子を持っており、そのため、お酒に弱いか全く飲めない体質が多いと言われています。また、この遺伝子の梅は日本国内でも地域差があることが知られています。
☆「お酒の後のシメ」に要注意
お酒を飲んだ後にはやっぱりラーメンだよね!など、お酒の後に何か少し食べたいと思うのは、お酒を飲むことで低血糖になり、糖分を欲するようになるからと言われています。そのメカニズムは、アルコールの代謝で使われる補酵素の濃度が高くなることで、体内の糖分(グルコース)を生成する経路が妨げられ、低血糖に陥りやすくなるからと考えられています。
しかし、ここで炭水化物や脂肪分が多い食品をたべてしまうと、血糖値が急激に上がり、すい臓に負担がかかるだけでなく、内臓にも脂肪が蓄積されやすくなるので、さみしいですが締めのラーメンには要注意です
参考資料 株式会社ヘルシーパスより
カルシウムについて
今回はカルシウムについてお話します。
カルシウムとは体内で最も多いミネラルです。でも、現代の日本人では、実際にどのくらい不足していて、その不足を補うためには、どんな食べ物から、どんな食べ方の工夫があるか?紹介します。
☆カルシウムの働き
カルシウムとは、丈夫な骨や歯を作るのに欠かせない栄養素としてよく知られており、体内で最も多いミネラル(成人体重の1~2%)です。体内のカルシウムの99%は骨および歯に存在し、残り少量のカルシウムは、血液凝固や心臓の機能、筋収縮などに関与し、体内で重要な役割を担っています。
☆カルシウム摂取の意味
カルシウムの摂取は、カルシウム欠乏などによるくる病、骨軟化症、低カルシウム血症、骨粗鬆症の治療に対してはヒトでの有効性が示唆されています。また、カルシウムには、脳への情報伝達を正常にし、神経を安定させる働きがあり、ストレスの緩和に役立つといわれています。
一方、カルシウムの過剰摂取により泌尿器系結石の形成、ミルクアルカリ症候群(興カルシウム血症)などの障害を起こす可能性もあります。
☆カルシウム補給のための上手な食べ方
カルシウムは、胃酸で溶け、腸管から吸収されるため、胃酸の出ている食事直後が効率よく吸収できるタイミングです。また、梅干し、レモンなどに含まれるクエン酸はキレート作用によって、カルシウムの腸での吸収を高め、ビタミンDもカルシウムの吸収を促進させます。
逆に、炭酸飲料や加工食品に多く使用されているリンを取りすぎるとカルシウム吸収の妨げになり、砂糖の摂り過ぎも、カルシウムの排泄量を増やしてしまうので注意が必要です。
☆毎日の食事だけでは足りていない
カルシウムは、干しエビ、煮干し、ヒジキ、高野豆腐、ゴマ、チーズなどに多く含まれています。平成18年の国民健康・栄養調査によると、カルシウムは、通常の食品から、男性は546㎎、女性は524㎎摂取しています。
一方、日本人の食事摂取基準(目標量)は、成人男性で650-900㎎、女性600-800㎎、と設定されており、平均的に、男性:100-350㎎、女性:80-250㎎が足りていません。この不足分の補給は、サプリメントなどの有効活用をお勧めします。
参考資料:株式会社ヘルシーパス
睡眠上手は健康上手
こんにちは。今回は睡眠についてお話します。
みなさんは毎日しっかり眠れていますか?
朝すっきりと目覚められない、夜中に何度も目が覚めてしまうなど、現在、睡眠に不満を抱えている人は国民の約60%といわれています。その悩みも睡眠時間を十分にとれない「睡眠不足」や、寝つきが悪い、眠りが浅いといった「不眠傾向」などさまざま。一方で、実はよく眠れているのに眠れていないと感じてしまい、それがストレスになっている人も。眠りを正しく理解して、睡眠上手を目指しましょう。
眠りの常識 ウソ*ホント?
☆1日8時間眠らないといけない??
☛必ずではありません!適切な睡眠時間は人によって異なり、成人の場合7
~9時間の間で目覚めた時にすっきり感があることが目安となります。アメリカの研究では、6.5~7.5時間の睡眠をとっている人が最も長生きという報告もされています。
☆寝る子は育つ??
☛成長ホルモンは睡眠中に分泌されるので、子供の成長には不可欠。1日の望ましい合計睡眠時間の目安は、3~5歳は11~15時間、6~12歳は10~11時間、13~18歳は8時間以上です。
☆休日の寝だめは有効??
☛少しは多めに眠って疲労を回復することは有効です。とはいえ、普段よりも遅く起きるのは、体内リズムを崩してしまうのでお勧めできません。寝不足を解消したいときは就寝時間を早めて、起床時間は極力ずらさないように気を付けましょう。
☆睡眠不足だと太りやすい??
☛睡眠不足は肥満になりやすくなります。睡眠不足になると代謝が低下してしまい、脂肪が燃焼されにくくなります。また、食欲を抑えるレプチンというホルモンが減少して、食べ過ぎにつながるといわれています。
☆歳を取ると眠りは浅くなる??
☛不眠症状を訴える人が増えてきます。高齢者は体温調節がしにくく入眠に苦労する、夜中に目が覚める、活動量の低下から必要な睡眠時間そのものが少なくなるなどの傾向があります。日光を浴びて体内時計を調整したり、日中の過ごし方を工夫すると、改善する場合があります。
☆羊を数えると眠れるの??
☛羊を数えると眠れるというのは、単調な行為を繰り返すことによるリラックス効果を期待してのことです。しかし、布団の中で考えごとをすると寝付きにくくなるので、逆効果!!眠くないときは無理に寝ようとせずに、一旦布団から出てリラックス。眠くなってから布団に入りましょう。
☆眠りが支える日々の健康☆
睡眠不足になると集中力や作業効率の低下が見られます。その低下率は飲酒時と同程度。脳と体を休めたり、記憶の整理をしたりと、睡眠は日中の活動を充実させるのに欠かすことができません。健康な生活はもちろん、充実した日々の生活のためにも、睡眠をおろそかにしないことが大切です。
参考資料 ヘルスケアショップ健康情報誌より
歯磨き行動の脳への作用
こんにちは。
今回は歯磨きの脳への効果についてお話します。
花王のヒューマンヘルスケア研究センターで脳が疲れた後の歯磨き行動が脳や心理に与える作用を研究していたそうです。
その結果、歯磨き行動が脳を活性化し、気分をリフレッシュする効果を持つ可能性を見出したとのこと。
具体的な研究内容としては、計算作業による疲労付与後に歯磨き行動をしたときの脳への作用を客観的に評価するため、脳と心理の状態を同時に測定する“統合生理研究手法”を用いて検討。脳の活性化は、脳の疲労度や注意力に関係する指標などを用いて評価し、脳の疲労度はフリッカーテストを、注意力は脳波の測定で実施したという。
その結果、疲労後に歯磨きをすると、しない場合とくらべ、脳の疲労は有意に低減。また注意力も高まる傾向が認められたという。
これより、歯磨き行動により脳が活性化したことが推測された。
さらに心理状態についても、疲労後に歯磨きをすると、リフレッシュ感が有意に高まり、集中力やすっきり感も上昇する傾向が認められたという。
歯磨き行動には、仕事や勉強などで疲れた時に脳を活性化する効果があるとも考えられるそうです。
疲れている時ほど、念入りに歯磨きした方がよいのかもしれませんね
ちなみに、電動ハブラシよりも手で磨いた方が、効果があるようです
正しい噛み合わせのために3
☆舌回しメゾット☆
こんにちは。
今回は前々回から紹介している三大メゾットの最後の舌回しメゾットを紹介します。
舌回しメゾットとは頬の筋肉を、内側からほぐす方法です。
舌を頬と歯の間に押し込み、外側にしっかりと押しつつ舌をぐるぐる回してください。
左右それぞれ、頬がほぐれるまでやります。後ろから前に動かす気持ちでやるとよいでしょう。同時に、歯茎と唇の間にも舌を入れ、上下それぞれしっかりマッサージします。
口腔全体が一気にゆるみ、舌のねじれもよくとれる、非常にすぐれたメゾットです。
とくに、口腔前庭といって、歯と頬の間の深いところをマッサージすると、顔の周りの筋肉が一気にほぐれます。
噛み合わせのトラブルでは、左下頬の口腔前庭が凝り固まっている人が多く、指でおさえると最初、激痛が走る方もいます。
ここを刺激すると、唾液の分泌が促進され、顔面筋が一気にゆるみ、身体全体のバランスを取り戻しやすくなります。これは、普段から、気づいたらいつでもやっていただきたいものです。
☆頭頂部マッサージとセットで行うと口のねじれがより効果的にとれます☆
みなさんが三大メゾットをセットでやる時は、舌回しメゾット⇒頭頂部マッサージ⇒足の中指メゾットの順で行うとよいでしょう。体のバランスの調整が無理なく行えます。
口は内蔵のバロメーター
舌回しメゾットは何をやっているかというと、単に口を動きやすくするためだけではなく、内臓の一番先端の筋肉のねじれをとるという意味もあります。
口とは、外界に開いた腸管の入り口で内臓の最先端なのです。
このことを最も極端にあらわしているのが、口内炎、口角炎など。
身体や内臓の調子が悪いと、真っ先に口の中にあらわれます。胃腸が弱っていると、口内炎ができたり、口の周りが切れたりしますし吹き出物もできやすくなります。
口は内臓の一部ですから、体調を直接的に反映させるのです。
ですから、口の筋肉を刺激して、唾液がよく出る理想的な噛み方ができるようにすることは、内臓の一番先端の筋肉のねじれをとっているということになるのです。
参考文献 文集文庫「歯はいのち」笠茂 享久
正しい噛み合わせのために 2
今回は、前回紹介しました三大メゾットの二つ目、足の中指マッサージ法をご紹介します。
筋膜リレーションの起点は足裏にはじまり、足先で終わります。筋膜は足先が一番調整しやすく、中指はその第一ポイントです。ウマの蹄は中指の進化したものだと言われるように、動物の足のバランスの中心点は、足の中指にあります。
☆身体が右にねじれている方でも、左にねじれている方でも、左足の中指からはじめてみてください。
左足の中指の付け根、人差し指側のくぼみと、薬指側のくぼみを、それぞれぎゅっと押してみます。とくにどちら側が痛みますか?
より痛い側の骨盤がねじれて、過緊張を起こしています。
◎中指の根元のくぼみを強く押して、二~三分間マッサージを続けてみてください。
痛むほうをより丁寧にほぐすと良いでしょう。毎日一~三回やるうちに、バランスが整えられ、骨盤も口腔内のねじれもとれていきます。
このくぼみの中には、足のアーチを形成するため足の裏を前後に引っぱる足底腱膜を指の根元で押え、そして指と指とをつないで横に走る浅横中足靭帯という繊維の帯があります。
この腱をゆるめることで足の裏のバランスがとれて全身のバランスも良くなります。
左足のみでも効果はありますが、時間のある時は、右足もおなじようにやります。
多くの人は左足の緊張が強いので、とくに左足を念入りにやります。自分にとって「痛気持ちいい範囲で、丁寧に行ってください。やみくもに押さえて激痛を走らせても効果はありません。
足の中指メゾットは筋膜リレーションへ非常に効果的に働きかける方法なので、正しく施術すれば、わずか一、二回で咬合のトラブルが消えてしまうこともよくあります。
☆対角線を引っぱればねじれはとれる☆
筋膜の起点を利用する方法を知っていただいたところで、筋膜のもつ次の重要な性質をお話しします。
◎筋膜はたすきをかけるように斜めにもつながっていて、横の動きやねじれにも対応できるようになっているということです。
人間の身体はらせん状に、筋膜によって連動している。足裏のツボの反射区などで、左足は右上半身のそれぞれ対応しているのは、この筋膜が対角線状にリレーションしているという人体構造からくるものなのです。
筋肉というものは繊維の方向にしか力を出せません。力のベクトルを変えられるのは関節だけです。そのために筋肉を包み込んでいる筋膜には、よじれ、ねじれなどが生じやすいのです。
参考文献 文集文庫 「歯はいのち!」著者笠茂 享久
正しい噛み合わせのために
こんにちは今回からは正しい噛み合わせになるためのお話をします。
頭頂部マッサージ法
正しい噛み合わせのためには、まず顔の筋肉、口の周りの筋肉の緊張をとり、十分にゆるめる必要があります。とくに生活習慣で変な噛み癖がついている人は、無意識のうちにそうとう筋肉がこわばっています。
そこで、身体のもつ本来のニュートラルな状態に戻してあげる必要があります。
まずは、論より実践!!
☆顔と口回りの緊張を一気にほぐす、とても効果的なメソッドをご紹介しましょう。あごの周りが「ゆるむ」間隔を、実感してみてください。
① まず両手でこぶしをつくり、人差し指で額を下から上にぐいぐいと押し上げます。引っかかりがあるほうを、より重点的にほぐしてください。
② 次に頭頂部の頭皮を、五本の指の腹で軽くつまみ上げたり、ひねったりして揉みます。
③ 最後に、側頭部、耳の上あたりを後ろに向かってこぶしでぐりぐりと押してみて、引っかかるところを重点的に揉 みましょう。
これらをやると、たとえば右に咬み癖がある、右が過緊張を起こしている方は、ぐりぐりとほぐそうとした時に、右側の側頭部が痛むでしょう。と同時に、以外かもしれませんが左側の顎が痛むはずです。
ちょっと専門的な話をすると、頭には帽状腱膜(ぼうじょうけんまく)と呼ばれる筋膜があり、横は後耳介筋(こうじかいきん)、前耳介筋、後ろは後頭筋などが起立筋へとつながっています。ちょうど、帽状腱膜が水泳帽のように頭蓋を覆って頭を持ち上げている恰好になっているのです。
ですから、頭頂部を軽くさわったりマッサージするだけで、口の周り全体の筋肉のねじれをとることができます。
頭頂部は足先と並んで、非常に反応の出やすい場所です。これは、後述する「阿足の中指メゾット」「舌回し」と並んで、噛み合わせを整えるのに適した三大メゾットです。頭、口、足、この三か所を制するのがコツ。
ゆるんで楽になる感覚を知ることが、身体のバランスを取り戻す一歩です。
今回はこの三か所のうちの頭を紹介しました。次回へと続きます。
参考資料 文集文庫「歯は命」 笹茂 享久
“腸”能力の話
こんにちは。今回は
「腸能力」と向き合う「調能力」
についてお話します。
根拠のない直感、独創的なひらめき、虫の知らせ・・・。血が壊れる「壊血病」を「解決病」に変えたのはビタミンCが欠乏した赤ちゃんがミカンの皮を欲しがったからからだといわれています。当時の大人だってわからなかったのですから、ミカンの皮に多量のビタミンCが含まれていることを赤ちゃんが知っているはずがありません。
おそらく、五感を超えた「第六感」が働いたのでしょう。
ということは、超能力とも呼べる第六感はもともと人間に備わっていた能力であり、人間が過去に置き去りにした能力でもあると考えられるのではないでしょうか。ただ、エジソンが言い遺したように、発明は第六感のような1%のひらめきによって生み出されているのは確かです。もちろん、人間の体は超能力の塊です。とりわけ、「腸能力」は驚異的で、脳との神経を遮断されても、何の不都合もなく機能します。腸は体に必要なものを取り入れ、有害なものを排泄するという脳のような働きをもっています。腸能力はこれだけじゃありません。「腸管の法則」もその一つです。その指令を腸に内蔵された腸内神経コンピューターが興奮を筋肉に伝え、運動を起こさせていると考えられています。
また、腸は「長能力」を兼ね備えています。
下図は(IMG_20130910_0007_NEW)動物の腸が体長の何倍あるかをメーターで表したものです。ちなみに、ヒトの体長は四つん這いになったときの長さです。肉食動物は腸が短く、草食動物は腸が長いことが分かります。 日本人の平均的な腸の長さ(小腸+大腸)は約9.2メートルです。これに対し、欧米人は約7メートルです。2.2メートルの違いはどこからくるのでしょうか。
それは食生活です。
正確に言うと、植物性食品を中心とした食生活と動物性食品を中心とした食生活との差です。
植物性食品を中心とした食生活を送る日本人は、食物繊維を多く含む食べ物の消化・吸収に時間がかかるため、腸が長い消化管機構に進化しました。一方、
動物性食品を中心とした食生活を送る欧米人は、動物性食品の消化・吸収が植物性食品ほどかからない、というよりも長く動物性食品を腸内に滞在させておくと害悪を及ぼすので、できるだけ早く腐敗物を体外に押し出すよう腸が短い消化管機構に進化したのです。
日本人が欧米型の食生活で食物繊維が不足すると、腸内に動物性食品の生ごみが長時間にわたって滞在することになるので、腸の機能自体に悪影響をもたらします。そのバロメーターは良いおならか、悪いおならかを嗅ぎ分けることです。腸内環境が健康な人は良いおならですから、あまり臭いません。悪いおならであれば、食生活を改善するべきでしょう。そのためには、善玉菌を増やして腸内環境を整えることがポイントです。
腸内環境の悪化に伴い、胃がんから大腸がんに主役が交代してしまいます。また、過敏性腸症候群の患者さんも激増しています。
医師には限界を超えた「調能力」が求められそうです。