こんにちは。今回は
「腸能力」と向き合う「調能力」
についてお話します。
根拠のない直感、独創的なひらめき、虫の知らせ・・・。血が壊れる「壊血病」を「解決病」に変えたのはビタミンCが欠乏した赤ちゃんがミカンの皮を欲しがったからからだといわれています。当時の大人だってわからなかったのですから、ミカンの皮に多量のビタミンCが含まれていることを赤ちゃんが知っているはずがありません。
おそらく、五感を超えた「第六感」が働いたのでしょう。
ということは、超能力とも呼べる第六感はもともと人間に備わっていた能力であり、人間が過去に置き去りにした能力でもあると考えられるのではないでしょうか。ただ、エジソンが言い遺したように、発明は第六感のような1%のひらめきによって生み出されているのは確かです。もちろん、人間の体は超能力の塊です。とりわけ、「腸能力」は驚異的で、脳との神経を遮断されても、何の不都合もなく機能します。腸は体に必要なものを取り入れ、有害なものを排泄するという脳のような働きをもっています。腸能力はこれだけじゃありません。「腸管の法則」もその一つです。その指令を腸に内蔵された腸内神経コンピューターが興奮を筋肉に伝え、運動を起こさせていると考えられています。
また、腸は「長能力」を兼ね備えています。
下図は(IMG_20130910_0007_NEW)動物の腸が体長の何倍あるかをメーターで表したものです。ちなみに、ヒトの体長は四つん這いになったときの長さです。肉食動物は腸が短く、草食動物は腸が長いことが分かります。 日本人の平均的な腸の長さ(小腸+大腸)は約9.2メートルです。これに対し、欧米人は約7メートルです。2.2メートルの違いはどこからくるのでしょうか。
それは食生活です。
正確に言うと、植物性食品を中心とした食生活と動物性食品を中心とした食生活との差です。
植物性食品を中心とした食生活を送る日本人は、食物繊維を多く含む食べ物の消化・吸収に時間がかかるため、腸が長い消化管機構に進化しました。一方、
動物性食品を中心とした食生活を送る欧米人は、動物性食品の消化・吸収が植物性食品ほどかからない、というよりも長く動物性食品を腸内に滞在させておくと害悪を及ぼすので、できるだけ早く腐敗物を体外に押し出すよう腸が短い消化管機構に進化したのです。
日本人が欧米型の食生活で食物繊維が不足すると、腸内に動物性食品の生ごみが長時間にわたって滞在することになるので、腸の機能自体に悪影響をもたらします。そのバロメーターは良いおならか、悪いおならかを嗅ぎ分けることです。腸内環境が健康な人は良いおならですから、あまり臭いません。悪いおならであれば、食生活を改善するべきでしょう。そのためには、善玉菌を増やして腸内環境を整えることがポイントです。
腸内環境の悪化に伴い、胃がんから大腸がんに主役が交代してしまいます。また、過敏性腸症候群の患者さんも激増しています。
医師には限界を超えた「調能力」が求められそうです。