コロナ特別編 歯科衛生士のチカラ

新型コロナウイルス( COVID 19 )が、世界中で猛威を振るっています。ウイルスは目に見えず、空気中に舞っているので、手洗いやうがいなどの対策を徹底しても、体内に入ることは十分に考えられます。今回の健康ブログは、 「 歯科からできるコロナ対策 」 として、仮に 体内に入っても、口のチカラを高めて、「コロナに感染しにくい身体」にすることに焦点を当てます 。
今回は「 歯科衛生士のチカラ 」 です。歯科衛生士とは歯科疾患の予防と口腔衛生のプロです。

 

 

歯科衛生士のチカラ

 

口腔内に歯周病菌などの病原菌があると、ウイルスを粘膜細胞に侵入しやすくするプロテアーゼという酵素を出します。このプロテアーゼがウイルスを活性化させることで感染が起こってきます 。そのため、感染防御には口腔内の環境が重要で、 1 日 2 3 回の歯磨きで口腔内の衛生を保っておかないと、ウイルス感染を助長することになります。

 

 

歯科衛生士が口腔ケア→インフル発症率低下

 

口腔(こうくう)ケアがインフルエンザ発症率の低下につながることは、 2003 04 年、 65 歳以上の在宅療養高齢者 190 人を対象にした調査で明らかになっています。調査では週 1 回、歯科衛生士による口腔清掃などを実施した「口腔ケア介入群」( 98 人、平均年齢 81 歳)と、本人および介護者による、それまで通りの口腔ケアした群( 92 人、同 83 歳)を設定。半年後、インフルエンザ発症率を比較したところ、従来型で9 人が発症したのに対し、介入群で の発症者は 1 人で、 口腔ケアによって発症リスクが 10 分の 1 に減少した 。感染すると、高齢 者のほか、糖尿病、心不全などの持病がある人ほど重症化しやすいとされる新型コロナウイルス。
毎年のように猛威を振るうインフルエンザウイルスとは別物ですが、同じ感染症対策の一つとして、口腔ケアにも気を配りたいところです。

 

 

 

定期歯科検診のススメ

 

口のチカラを高めるために、定期歯科検診は非常に重要です。日々の歯ブラシでは細かい磨き残しが出てくるので、ケースにもよりますが、3 か月に1 回程度の定期歯科検診をお勧めします。
新型コロナウイルスが終息するまでは1 か月に一回でもいいかと思います。在宅勤務や外出自粛などでかかりつけ歯科院に通いづらくなっている方は、歯科衛生士が在籍している最寄りの歯科医院で歯のお掃除をしてもらいウイルスの活性化を予防してもらってはいかがでしょうか。

 

●参考文献
Beyond Health 「唾液の力」で新型コロナは抑制できる?
槻木恵一先生 神奈川歯科大学副学長・大学院口腔科学講座環境病理学教授
西日本新聞 「鼻呼吸こそ天然のマスク」専門家に聞く口腔ケア
聞き手 佐藤弘さん
話し手 岡山大学病院スペシャルニーズ歯科センター診療講師 岡崎好秀先生

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