健康長寿に導く日本食

日本人の平均寿命は延び続け、現在では世界で最も長寿の国です。日本を世界一の長寿国に導いた要因には、欧米諸国と異なる独自の食生活の影響が大きと考えられます。

日本の和食は2013年にユネスコの無形文化遺産にも登録されました。

以前から日本食は健康に良いと言われてきましたが、いつの時代の日本食が優れているかを科学的に評価した研究や、過去と現在の日本食を比較した研究はほとんど報告されていませんでした。そこで、都築毅教授は国の栄養調査をもとに、1960年、75年、90年、2005年それぞれの平均的な1週間の献立を再現し、マウスに食べさせ、各年代の日本食の健康有益性(寿命や病気のリスクなど)を調べました。

すると、健康で長生きするには、1975年頃の日本食が最も効果的であることが分かりました。

1975年の日本食とは

現代の日本食と比べて過去の日本食には肥満や脂肪肝、糖尿病の発症リスクを軽減させる効果があり、特に1975年頃の日本食にその効果が強く現れ、健康維持に効果的であるとされています。

<1975年頃の日本食の1日の献立>

各年代の日本食と比較して、砂糖及び甘味類、豆類、果実類、藻類、魚介類、卵類、調味料及び香辛料類の使用量が多く、使用している食材の種類が豊富であった。一方で、嗜好飲料類の使用量が少ないという特徴も見られました。

<1975年の日本食の効果>

*肥満を抑制する

*糖尿病や脂肪肝を抑制する

*がんの発症を抑制する

*認知症を予防する

*老化の進行を抑え 寿命を延ばす

 

1975年の日本食の特徴

多様性:色々な食材を少しずつ(主菜と副菜を合わせて3品以上)

調理法:◎煮る、蒸す、生〇ゆでる、焼く△揚げる、炒める

食材:◎大豆製品、魚(介)、いも、野菜(漬物)果物、海藻、きのこ、緑茶〇卵、乳製品、肉

調味料:◎出汁、発酵系調味料(醤油、味噌、酢、みりん、お酒)〇砂糖

形式:一汁三菜主食(米)、汁物、主菜、副菜2品

 

今の日本食

家庭の食卓から、和食は明らかに減少しています。

その原因として以下の3つのことが考えられる。

①食の洋風化…海外からさまざまな食べ物が入ってきて、日本人の味覚や嗜好が変化した

②インスタント食品の流通…誰でも簡単に短時間で作れる

③「ワンディッシュ型」の増加…一汁三菜の型が崩れ、カレー、ラーメンなど

1つで済ますことのできる料理の増加

自分の都合で好きなように食事ができるようになった今、

食べ足りずに低栄養な人がいる一方で、食べ過ぎでメタボの人もいると問題視します。

 

なので…

外食や中食を利用する時にも、1975年の日本食の健康有益性を

実生活に取り入れ食材の数を増やし、少しずついろいろなものを

食べることが百寿者に近づく一歩です。

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