今回のテーマはしゃっくりについてです。
しゃっくりがなかなか止まらず、呼吸が苦しくなったり話しづらくなったりしてイライラした経験のある人も多いのではないでしょうか?
しゃっくりとは。。
肺を動かして呼吸させる横隔膜が強く収縮して息が早く吸い込まれるのと同時に、声帯が急に閉じられる現象のことをいい、役割は不明ですが生物が水中から陸上に上がり、えら呼吸から肺呼吸に切り替わる過程で肺に水が入らないよう気管を塞ぐ仕組みの名残という説もあるそうです。
しゃっくりの音。。
しゃっくりをすると「ひっく」という音が出ますが「ひっ」が声帯が急に閉じようとする時の声帯の振動音で「く」は声帯が閉じて息が止まった時の音です。
では、なぜ横隔膜の収縮と声帯の閉鎖が同時に起こるのか?
それはしゃっくりの指令センターである延髄のしゃっくり中枢に刺激が与えられるからです。
炭酸飲料を飲む、慌てて食べる、激しく笑う、せきをするなどの刺激がのどに分布する舌咽神経から延髄のしゃっくり中枢へと伝わることで横隔膜と声帯へそれぞれ同時に指令を出します。
ただ、こうした刺激で常にしゃっくりが出るわけではなく、普段はGABA(ギャバ)と呼ばれる神経伝達物質により脳から抑制を受けています。この抑制よりも刺激が強くなるとしゃっくりが起き、一度起きるとすぐに止まりづらいのも特徴です。
抑制する力を減らす例
(飲酒、一部の薬の服用)
また、子供の場合は大人に比べて発達が未熟でGABAによる抑制が効かず、しゃっくりが起きやすくなります。
しゃっくりの止め方は?
基本的にしゃっくりは自然に止まるので気にせず待てばいいのですが、
会議や宴会であいさつをしたり、半日ほど続いて不自由を感じたりするような場合は何らかの刺激を与えると、しゃっくりは止まりやすくなります。
人さし指を両耳に強く入れ30秒ほど押す
舌を30秒ほど引っ張る
このどちらも舌咽神経にしゃっくりを抑制する刺激が入るため薦められています。他にも、誰かに驚かしてもらうという方法も有効ですが、いずれも絶対に止まるというわけでありませんし、ぜんそくや心臓病、脳卒中などの人はこうした刺激は避けたほうがよいとされています。
しゃっくりは長時間続く場合もあり、48時間以上続くと「慢性」、1か月以上だと「難治性」と分類されます。
これらの場合は吐き気や倦怠感、呼吸困難、不眠に悩まされることがあり、また難治性の人が脳梗塞や悪性腫瘍などを患っている例もあるといいます。
喫煙と飲酒が重なるなどの生活習慣が影響している場合があるので、見直すことが大切ですがそれでもしゃっくりが1か月以上続くようなら病院への相談をしてみてください。
参考著書:読売新聞 しゃっくりの止め方は?