ツインデンタルクリニックの呉です。
皆さん、英語はお得意ですか?
今日はOccupational English Test(OET)という英語の実用検定試験をご紹介します。
これはオーストラリア政府が移民政策として、英語のできる医療従事者を受け入れるために開発された医療職に特化した医療英語です。
テストの科目は「読解、聞き取り、小論文、会話」の4つです。その中でも面白いのが、「会話」です。会話の形式は、試験官が患者様の役、僕ら受験者は医療従事者の役になって、ロールプレーを行います。
試験官(患者様役)と受験者(医療従事者役)向けのシチュエーションカードがそれぞれに手渡され、ロールプレーが始まります。
例えば以下のようなカードがそれぞれに配られます。
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受験者―医療従事者(歯医者)役
「患者様は15歳の少年で、サッカーの試合の後、母親(父親)と一緒に来院されました。試合中に前歯を強くうって、脱落し、その歯をなくしていてしまいました。付き添いの母親(父親)を落ち着かせてください。付き添いの親に今の状況は問題ないと安心させてください。また、あなたが施せる治療にどんなオプションがあるかを説明してください。」
試験官―患者様役
「あなたは15歳の少年のお母さん(お父さん)です。ある日、息子さんがサッカーの試合で前歯一本が抜け落ちて、その歯はグランドで紛失してしまいました。多量に出血して、痛みもあります。あなたは、息子の口元や歯の発育に、一生残るようなダメージが残らないか、とても心配しています。その紛失した歯の代わりになるような治療方法などを色々と聞いてください。先生は安心させようとしますが、しつこく不安がってください。」
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このように、患者役の試験官には素直にこちらの話を聞いていただけません(苦笑)。
試験官扮する患者様はしつこく不安がったり、時に怒鳴ってきたり、また凄く痛がったりします。それを英語でなだめたり、治療の説明を分かりやすくしなくてはいけません。試験対策としては4つのパートの中で一番チャレンジングでしたけど、一番ためになるし非常に面白かったです。
試験対策として、何人かの英語のできる外国の知り合いや先生にこの患者様の役をしてもらうのですが、皆がみんな役者です。日本の友達とかに頼んだら、ちょっとは恥じらって、役になりきれない人もいると思いますが、彼らはみんなハリウッドスターでした(笑。
この医療英語の試験OETはレベルがAからEの五段階でB以上がオーストラリアで、医療従事者として働けるレベルになります。僕はハリウッドスターになりきってくれた彼らのおかげもあって、無事に全パートでBをクリアすることができました。
おかげさまで、時折外国人の患者様を診させていただく時はこのトレーニングが大変役立ちます。
何せ、この診療所に来院される外国人の患者様は試験官扮する「難しい」患者様と比べると遥かにやりやすい患者様ですから(笑。