こんにちは紅葉がきれいな季節になりましたねみなさま元気にお過ごしでしょうか
今回は”フィンランド症候群”についてのお話です
例えば、「タバコをやめる」ような心理的な納得ができていないのに、奥さんや娘さんから絶対的にやめさせられたり、勤めている会社の社長が禁煙派で全社的に禁煙を強制したりする場合、心理的に内的な葛藤を経ずに行動として強制的にさせられると、タバコをやめたことで健康度が一点はよくなるけれども、その代わりストレスが増えたり、飲酒が増えたりして総合的に見ると健康度は悪くなるという傾向になります
こんな一例があります↓↓↓
フィンランドで、45歳の管理職を700人ずつ2組集めて
一方の管理職には、「あなたはこんな地位にあるのになにごとか、絶対にタバコをやめなさい」と強制的に行動変容を迫りました。
もう一方は、単に健康学習的に「タバコを吸う人には肺がんが多いですね」程度の話をして、喫煙は自由にさせておいたのです。
一方は偉そうなドクターから地位を利用して言われますから、やはりこれはやらなくちゃいかんと、非常に苦痛を伴いながら行動変容をしました。
それで15年ぐらい追跡調査してみたら、死亡率にものすごく差があったのです。
強制的に行動変容させられた人たちの方が多く死んだのです
自分の今までの生きざまに対して大きなプレッシャーをかけられたのですから、当然のことでしょう
身体的な健康度は独立しているように見えて、実は心理精神的なものとつながった健康度なのです
ついこの間までは、診断が発達し、的確な診断によって確かに疾患は治りましたし、処方箋を書いて患者医師関係がきちんと成立していれば、患者さんは薬をちゃんと飲んでくれますから病気は治ったのです。
しかしそれは、疾患が感染症主流だったからで、生活習慣病が7~8割を占めるようになると、原因がその人の生きざま、もっと踏み込めば自分自身が病気の原因になるのです。
その人が生まれてから今日まで生きてきた何十年間という自分を引っ張っているわけですから、薬を飲んで行動様式が直るわけではありません。外から無理に直そうとすればフィンランド症候群のようなことになります。
薬で治らない病気の時代に何をするか、毎日の生活習慣を考えて活動することが大事だと言えるでしょう
参考資料:ライフスタイルと健康年齢 大阪大学大学院医学系環境医学・教授 森本兼曩