こんにちは!!今回はミトコンドリアについてのお話です。
ミトコンドリアとは私たち動物細胞の中に住み、酸素を利用してエネルギーを作り出す細胞内小器官です。
生命の進化は約20億年前にミトコンドリアの祖先である真性細菌が、私たちの細胞の祖先である古細菌に共生したところから始まりました。ミトコンドリアを取り込むことによって古細菌は莫大なエネルギーを手に入れることができるようになり、細胞へと進化、さらに多細胞生物に進化して人類にまで至っています。
☆ミトコンドリアは生命進化の立役者であり、私たちの生活になくてはならない生き物なのです
ところが、よくない生活習慣によってミトコンドリアから発生する猛毒の酸素が病気や老化と深く関わっていることがわかってきました。
福島原発事故による放射能汚染が深刻な社会問題に発展しています。
実は私たちの体の中にも原発があり、加齢やよくない生活習慣によって内部被曝による健康被害をもたらすのです
その原因はミトコンドリアです
ミトコンドリアは細胞内のエネルギープラントとして、食物から取り入れたブドウ糖や脂肪酸を使ってATPを合成しています。ATPは細胞内のどのようなエネルギーにも変換することができる細胞内通貨です。
しかし、このエネルギープラントには大きな問題がありますそれは、ミトコンドリアが酸素を用いてブドウ糖や脂肪酸をATPに変換する時、水(H2O)だけではなく、酸素由来の有害な活性酸素も一緒に放出してしまうことです。
ミトコンドリアが放出する活性酸素は動脈硬化やガンなど、さまざまな病気や老化と深くかかわっています。
動物はミトコンドリアという原子力プラントを持ったことによって活性酸素による病気や老化から逃れられない宿命を背負ったのです。
放射能と活性酸素
東日本大震災後に発生した福島原発の放射能漏れによって放射能の人体に及ぼす影響が問題となりました。放射能の生体への障害作用には直接作用と活性酸素を介した間接作用があります。
「放射線は放射能を発する能力」と定義されます。
放射線に曝されたとき、人体内では何が起こっているかというと、活性酸素が発生します。
放射線は、細胞内の水に高いエネルギーを与えてスーパーオキシドやヒドロキシラジカルに変化させます。
これらの活性酸素を利用してガン細胞を退治するのが放射線治療です。
つまり、放射能の細胞毒性は活性酸素に由来するのです。活性酸素はDNAを攻撃して染色体に異常をもたらします。それによって放射線治療を受けたガン細胞は増殖できなくなってしまうのです。
一方、正常な細胞は活性酸素によって死滅するだけではなく、生き延びた細胞はガン化しやすくなります。活性酸素はDNAの突然変異を引き起こし、また染色体の異常を監視して発ガンを抑制しているタンパク質の構造を変化させ、細胞が異常な増殖を起こしやすくするのです。
活性酸素は、エネルギープラントであるミトコンドリアで絶えず産生されています
ミトコンドリア電子伝達系は加齢とともに機能が低下し、電子が鬱滞しやすくなって、活性酸素を作る割合は増加します。加齢にしたがって酸化ストレスが増大するのはこのためです。また、飽食で電子伝達系に供給される電子が過剰になり、運動不足で電子の流れが滞れば、電子伝達系から漏れだす電子の量は益々増え、活性酸素の産生もそれだけ増えることになります。
自然界には放射能を持つ物質が広く存在し、私たちは絶えず一定量の放射線を浴びていますが、この程度の放射能は人体に影響を与えません。
問題なのは私たちの生活習慣です
私たちは飽食や運動不足といった好ましくない生活習慣によって、自然の放射能を浴びる以上に危険な活性酸素に曝されて生きています。
飽食や運動不足によってミトコンドリアから放出された活性酸素を内部被曝することは、原発から漏れ出た大量の放射能を被曝するのと同じくらい健康被害があることを肝に銘じなければなりません
参考資料 gooが風詠社出版の小著『長生きしたければミトコンドリアの声を聞け』の一部を抜粋、編集したものです。