こんにちは。
今回は過労死の原因は生活習慣病についてお話します。
近年、過労死が社会問題となり、いたるところで労働災害の認定を巡る裁判が繰り広げられています。過労死の原因は複雑です。過酷な労働でまず考慮しなければならないのは睡眠不足です
かつて第二次世界大戦シベリアに拘留された日本人は、寒冷や栄養不足に加え、精神的、肉体的な強いストレスによって抵抗力が低下し、多くの方が肺炎や結核などの感染症で亡くなりました。先述したように持続的な強いストレスは観戦に対する抵抗力を失わなせます。しかし、「過労死の直接原因は精神的、肉体的な強いストレスである。」ということだけでは説明がつきません。過労死の大部分は心筋梗塞、脳出血、くも膜下出血、急性心不全が原因だからです。
厚生労働省のマニュアルによれば、「過労死とは過度な労働負担が誘因となって、高血圧や動脈硬化などの基礎疾患が悪化し、脳血管疾患や虚血性心疾患、急性心不全などを発症し、永久的労働不能または死に至ったという状態をいう」と定義されています。
つまり、過労死のほとんどは生活習慣病を基礎疾患にしています。
過労死は予防可能な労働災害です。生活習慣病などで過労死し、あるいは重篤な合併症を患って人生を棒に振るようなことがあってはなりません。
睡眠不足の時は食を控えること
過労死を避けるためにはどうすればよいのでしょうか
☆過労にならない労働条件を確立するのが第一です。
しかし、仕事や家庭を持っている限り、誰でも好むと好まざるとに関わらず無理を承知で働かなければならないことがあります。過労によってもたらされる睡眠不足や不規則な食事、運動不足、それらはすべて生活習慣病の原因となります。過労はできる限り避けるに越したことはありません。
しかし、過労であっても生活習慣病を予防することは可能です。
「寝食を忘れる」という言葉があります。これは「寝ることも食べることも忘れて物事に熱中する」という意味です
そこで、言いたいのは、仕事が忙しいときは「寝」と「食」を同時に忘れてください。「寝」のみ忘れて「食」を思い出すとき生活習慣病が忍び寄ります。
睡眠不足が続くと太りやすいという科学的なデータがあります。
約二万人の日本人男性を対象に睡眠時間と肥満との関係を調べると、平均的睡眠時間が五時間未満の人は五時間以上の人に比べで肥満になりやすいことが分かりました。
なぜ睡眠時間が短いと太りやすいのかと申しますと、睡眠時間が短いと満腹ホルモンのレプチンが減り、空腹ホルモンのグレリンが増えるからです。
仕事時間が長く睡眠不足で疲労が重なると、ついカロリーの高い食事や缶コーヒーなどの甘い飲み物に手を出してしまうのはこのためです。
「疲れた時には甘いものが体にいい」と言われますが、本当に甘いものが必要なのは激しいスポーツや長時間の肉体労働の後、あるいは糖尿病の治療が効きすぎて低血糖発作を起こしている時だけです。むしろ睡眠不足の時こそ、カロリーを控えめにしてバランスを整えた食事を心がける必要があります。
☆もし、睡眠不足なのに体重が増えてきたら要注意です
カロリーを摂り過ぎている可能性があります。過労で体力を消耗していれば、太るはずがないからです
参考資料 風詠社 「長生きしたければミトコンドリアの声を聞け」 大谷 肇