こんにちは!今回のテーマは前回に引き続き具体的な背伸びの方法についてです。
姿勢が崩れてきたなと感じたときでも背伸びさえすれば、すぐに頭や体の位置がリセットでき、体幹を活用した疲れにくい体勢が整います。体を伸ばすことで、同時に気分もリフレッシュできるのだから、まさに「いいことづくし」です。
こうしたさまざまな効果が得られる背伸びですが、実際に行う際のポイントをお教えいたします。簡単な背伸びのポイントについてはすでに触れておりますが、改めてご覧いただき、正しい背伸びを身につけてほしいと思います。
手を上げない、かんたん背伸び
①耳の後ろを上に引き上げて体を伸ばす
たったこれだけです。ちなみに「耳」ではなく「耳の後ろ」というのがポイントです。耳の後ろとは、耳からほんの1cmほど後ろの場所のことを指しています。この1cmの差がとても重要で、「耳」ではなく「耳の後ろ」を肩のラインに揃えるような意識で上に引き上げることが正しい姿勢を生むのです。
重心が自然と真ん中にきて、「あごを引く」「胸を張る」「肩甲骨を寄せる」という状態になります。体の余分な力が抜け、お腹が上に伸びるので、その状態をキープしてください。会議中や顧客との会談中、あるいは上映中の映画など、あからさまに背伸びをするわけにはいかないときでも、姿勢を正したい時はあるものです。そんなときには「かんたん背伸び」で体を整えて負担を軽減しましょう。また歩く時や走る時など、体を動かす時も「かんたん背伸び」がもっとも役立ちます。
腕を伸ばす、しっかり背伸び
①足を平行に肩幅に開いて、足裏の親指と小指の付け根、かかとの三点で重心をとって立つ
②手を正面で組んで手のひらを返し、ひじを伸ばして腕を真上にあげていく。手の甲を見ながら顔も一緒に上げていく
③自分の体を上と下で引っ張り合うようにして体を思い切り伸ばす
④あごを引くような感じで顔を正面に戻し、ゆっくりと手を左右におろす
手を上げて体を伸ばすという、姿勢を一から整えることができる「しっかり背伸び」です。一般的な背伸びと動作はほとんど変わりませんが、意識するポイントがいくつかあり、それを意識することで崩れた姿勢をリセットしてくれます。特に、手がしっかりと上がっていないことが多いので、②の動作をするときに、手のひらが真上の天井を向いているか、腕は耳の横にきているかをしっかりチェックしましょう。
座りながら背伸び
①イスに深く腰掛けて、背もたれと腰の間にすきまをつくらないようにする
②骨盤を立てて、イスの座面に坐骨を突き立てるようなイメージで座る。この坐骨に上半身を乗せれば、立っている時と同じ上体の姿勢が保てる
③あとは「かんたん背伸び」もしくは「しっかり背伸び②~④」を行う
※イスの座面が大きすぎて、すきまが空いてしまうようなら、腰のところにクッションを入れると姿勢が整います
デスクワークで疲れた時、飛行機や新幹線に長時間乗る時など、いちいち立って背伸びをするのが大変な時は座ったまま背伸びをしましょう。気を付けるポイントは、とにかく正しい姿勢で座ることです。座って行う背伸びの時は、坐骨で重心をとります。坐骨を立てて座ることができれば、イスの座面から上にある上半身がまっすぐに立った時と同じ姿勢になります。
背伸びをすると体がグーンと伸びますから、それだけで立派なストレッチになります。また、腕がきちんと上がっているかどうかの可動域のチェックにもなるので、「しっかり背伸び」をする時には、鏡の前で横向きに立って行ったり、横から写真を撮ってもらったりするとより効果的です。
腕だけではなく、背伸びをしたタイミングで肩や首、股関節など、全身の関節の可動域もぜひチェックしてみてください。
参考著書:長く健康でいたければ、「背伸び」をしなさい 著者:仲野孝明