寒さに対する体の調節反応と体作り

 

今回のテーマは「寒さに対する体の調節反応と体づくり」です。

 

 

 

 

冬の寒い季節になってきました。

同じ寒さにいても、寒いと感じる人とそうでない人がいます。それはどこが違うのでしょうか。また寒さに強い体を作るためにはどうしたらよいのでしょうか。

 

 

 

 

人の体の寒さに対する反応は、暑さに対するほど優れてはいません。寒がりの人とそうでない人がいます。それは寒さに対する体の調節反応が存在し、個人差があるのです。

 

 

 

では、同じ寒さにさらされても、寒いと感じる人とそうでない人では何が違うのでしょうか。

 

その一つとして筋肉量の違いです。筋肉は収縮していない安静時も、細胞内でエネルギーを絶えず消費しています。そのため筋肉量が多いと、安静時の基礎代謝量が大きくなるので、体が温まりやすく寒さに強い体になるのです。

 

わたしたちが「寒い」と感じるのは皮膚です。寒さにさらされると、皮膚の血管が収縮して肌の色が白くなります。この皮膚表面の温度を下げ体熱の放散を抑えて、体温の低下を防ごうとする体の調節反応なのです。

 

また寒いのを我慢していると「震え」が起こります。

 

寒さ

はじめは口の周囲の筋肉で起こり、そのあと歯がガチガチ音を立て、徐々に全身に拡大して、最後には四肢に及びます。

この「震え」によって消費されるエネルギーのすべては熱になります。生じる熱量は、筋肉量が多いほど大きくなり、最大3kcal/分です。

例えば体重70kgの人で、熱の放散がなければ、1分間に体温を0.05度、1時間で3度上昇させる量なのです。

 

筋肉量が増えると、「震え」で発生する熱量も増えます。また、その筋肉を使って運動をすれば、その強度と継続時間に応じて多くの熱が生み出されるのです。

 

また寒さに慣れた人は慣れていない人に比べて、寒さにさらされてもなかなか「震え」が起こらないのです。

これは、寒さにさらされると交感神経の活動が活発になり脂肪が燃え、熱が生み出されるメカニズムが、寒さにさらされるうちに発達するためです。これを、「非震え熱産生」といいます。

 

このように、寒さに強い体になるためには、全身の筋肉量を増加させ、基礎代謝量を上昇させること。そして「非震え熱産生量」を増加させることが必要です!

 

 

寒さに強い体作りのために、「インターバル速歩」という方法があります。インターバル速歩とは、軽い会話ができる程度の速歩きで3分間歩き、3分間ゆっくり歩く、このセットを繰り返す運動法です。セットを1日5回以上、週4日以上繰り返します。

 

このインターバル速歩を行うことで体力が10歳分ほど若返ることが科学的に証明されているのです!!

 

 

 

運動して筋肉が収縮すると、代謝が進んで熱が生み出され、体温が上昇します。そして「震え」は徐々に抑えられます。またややきついと感じる運動をした後の1~2時間は、高体温が維持されるのです。

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これは、運動中に消費した筋肉内のエネルギー源(ブドウ糖)を回復し、また若干ですが損傷した筋線維を修復することによって、代謝が進むからです。その時に糖質、乳たんぱく質を多く含む牛乳をコップ1杯分飲むとさらにこの反応が進みます。そして筋肉量も増加することがわかっています。

 

皆さんも 思い切って外でインターバル速歩や適度な運動をして、冬を乗り切りましょう(^○^)

 

信州大学 能勢博さんの話参照