こんにちは毎日寒い日が続いていますが、みなさまは元気にお過ごしでしょうか
今回は「テロメア」についてお話します。
細胞の中には、DNAがらせん状にぐるぐると巻きついてできた、染色体という細長いヒモ状の器官が浮かんでいる。テロメアは、その染色体の両端にくっついている「保護キャップ」のようなもので、大切な遺伝子情報を守る役割をしているます
(図)染色体(左)とテロメア(右・拡大)
このテロメアは、細胞が分裂を繰り返すたびに短くなっていく。そして、テロメアがすっかりすり減ってしまうと、細胞は二度と分裂できなくなり、寿命を迎えて死滅してしまいます。
テロメアが短くなってくると・・・細胞分裂の際、遺伝子のコピーにエラーが生じるようになる。その結果、細胞のエンジンであるミトコンドリアが劣化・減少して、活性酸素をバンバン出す不良エンジンになる。代謝も低下して、動脈硬化や心筋梗塞などを引き起こすメタボの一因となったり、肌にシミやシワもできてくる。 そのため、以前からテロメアをいかに長く保つかが、病気や老化を防ぐ重要なポイントのひとつとして注目されていたのだが、最近では、テメロアそのものに活性酸素を抑制したり、代謝に関与する機能があることもわかってきて、テロメアへの注目度はますます高まっています。
不幸せだと、老化時計「テロメア」が短くなる!
幸せかそうでないかで、分子レベルにも大きな差がみられます。私たちの身体には、自分がどれくらい老化しているかを一目で見ることができます「老化時計=テロメア」といわれています。
たとえば、特殊な電子顕微鏡で皮膚細胞のテメロアを見てみると、若い人の皮膚細胞のテメロアはまだ十分長いが、高齢でシミやしわがたくさんある人の皮膚細胞のテロメアは、ほとんど点のようにしか見えない。そのため、テロメアは「老化時計」とも「寿命時計」とも呼ばれています。
そんな中、テロメアと幸せの関係を示す研究結果も登場している。2004年カリフォルニア大のノーベル賞受賞学者たちの研究で、慢性疾患を持つ子供の母親たちの細胞を調べた結果、子供の看病をする期間が長く、継続的にストレスを抱えている母親ほど、テロメアが短いことがわかった。これまでにも、「太っている女性は太っていない女性に比べ、10年もテロメアが短い」「タバコ1箱を毎日10年間吸い続けると、テロメアが2年分短くなる」といった研究結果が発表されていたが、肥満や喫煙に加え、ネガティブな気持ちもテロメアをすり減らせ、寿命を縮めます。
つらいこと、嫌なことがあってネガティブな気持ちが増幅しているとき、あなたの細胞内でもまた少し、テロメアが短くなっているかもしれない
国際ポジティブ心理学会の創設メンバーの一人、ミシガン大学の教授は「人生のゴールは、出来る限り長生きすることではなく、出来る限り長く若く生きることだ」とおっしゃっている。「幸せな人は長生きする」といっても、よぼよぼで長生きしたのでは、人生を楽しむことができない。
内臓や身体機能だけでなく、見た目も若いまま長生きするためにも、テロメアをできるだけ長く保っていたいですね
参考資料:文春新書「ごきげんな人は10年長生きできる」坪田和夫より