こんにちは。今回は
「乳糖不耐症」についてお話します。
サプリメントを飲んで、お腹がゴロゴロしたり、下痢気味になるなどの症状がでる可能性があります。ひどい症状になることは稀ですが、それは、「乳糖不耐症」が原因かもしれません。
☆牛乳・乳製品で胃腸が・・・
牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする方がいます。アイスクリームなどの乳製品でもダメな人。また、ゴロゴロ以外にも、お腹が張る、ひきつる、気分が悪くなる、下痢になるなどの症状がでる場合もあります。
これらは、「乳糖不耐症」とよばれるもので、牛乳にアレルギーがあるわけではなく、小腸で乳糖分解酵素(ラクターゼ)が十分に作られない為に、牛乳や乳製品に含まれる乳糖を消化できないことが原因で起こります。
☆どのくらいの人が当てはまるのでしょう?
乳糖不耐症の素因のある方は、伝統的に乳製品を摂っているヨーロッパの方では1割強と少ないですが、アジア人や黒人、地中海地方の方では、実に7~9割が該当するとも言われています。
世界全体でみれば、むしろ耐性を持っている方が珍しく、乳糖不耐症の素因を持たない方を「ラクターゼ活性持続症」と呼ぶこともあるそうです。
ただ、素因があったとしても、その症状には幅があり、実際に不調として症状が出る方は、約2割程度と言われています。
日本でも、「お腹がゴロゴロする方のための牛乳」として、ラクターゼ処理をして乳糖を分解した牛乳が商品化されています。
☆サプリメントでお腹が不調になる場合は?
サプリメントを飲むと、お腹が緩くなる方がおられますが、その原因は、サプリメントに添加物として使用している「乳糖」である可能性があり、特に安価なサプリメントの場合には栄養素よりも添加物(乳糖)の割合が多い製品もありますので、乳糖不耐症の素因のある方は注意が必要です。
※原材料表示がしっかりしているサプリメントを選ぶことが大切です。
それでも摂りたい乳製品
牛乳や乳製品をやめれば乳糖不耐症の症状は消えます。そういう意味では、成人の乳糖不耐症は大して 危険ではありません。しかし牛乳はカルシウム、ビタミンDやB2、たんぱく質を効率よく補給できる 食品です。特に肉や魚をたくさん食べられない幼児期や妊娠中、年配の方(骨粗しょう症を防ぐためにも) ではこれらの栄養素の重要補給源ですので問題です。
これらの栄養素を比較的よく含む上、見た目も味もいくらか似ているため、豆乳が代用品として用いられる ことが多いようです。ただしアミノ酸バランスが牛乳より劣り、単独ではメチオニンやシスティン が不足しますので注意しましょう。
なお、以下の乳製品なら大丈夫という方もかなりいます。
• 市販の「ごろごろしない」牛乳:ラクターゼ処理をして乳糖を分解したもの。
日本では、アカディMBPという商標名で販売されています(日本ミルクコミュニティ)。 ただ、ブドウ糖やガラクトースは乳糖より甘いので、この牛乳も甘いようです。 料理に使う場合は注意しましょう。
• ヨーグルトや乳酸菌飲料(カルピスやヤクルトなど)、チーズ、その他はっ酵乳製品全般:
製造の過程で乳酸菌やビフィズス菌、チーズの原料の酵素が、乳糖を分解するからです。 よって、はっ酵の度合いや種類によって差が出る場合もあります (チェダーチーズは大丈夫だけどマスカルポーネやモッツァレラはだめ、など)。
また、乳製品を少しずつ繰り返し摂っていると軽くなる・治ることがあります。
これは、摂った乳製品をえさにして乳酸菌やビフィズス菌などが腸内に増えるためのようです (いわば、お腹でヨーグルトを作っているわけです)。ですから、少量のはっ酵乳製品からはじめ、 次に牛乳を少しずつ料理の中に加えて使うようにして慣らしていくと、 やがて飲んでも大丈夫になる方もいます。このとき、初めのうちに使うはっ酵乳製品は、 「生きたまま菌が届く」と書かれているものの方が早く効果があがるかもしれません。
※お腹がゴロゴロしたときに市販の整腸剤を使用したくなる事もあるかと思います。しかし、整腸剤の中には乳糖を含むものがあるため、重度の乳糖不耐症の方は注意が必要です。ラックビー、エンテロノンRなどは乳糖が多く、ビオフェルミン、レベニンなどは乳糖が少なめ。意外な盲点です。
参考資料 株式会社ヘルシーパス