今回は「眼」についてお話しします。最近、加齢性眼疾患と生活習慣や栄養素の密接なかかわりを示す研究も発表されているそうです。
☆目はとても繊細な部位
私たちの体は皮膚によって外部の刺激から守られています。また、髪の毛や体毛でさらに厳重に守られている部分もあります。しかし、眼球は外部の光を受ける必要がある部分なので、皮膚も毛も無くむき出しの状態です。細胞にダメージを与える太陽光の害を直接、長年にわたって受けてしまう眼球は様々な疾患を患いやすく、体の内側からの防御がとくに重要です。
☆加齢に伴う眼の疾患の例
*加齢黄斑変性症(AMD)
高齢者の視力障害で多くみられる疾患で、網膜の「黄斑」と呼ばれる部位が太陽光、放射能の暴露、喫煙、高血圧の影響で形が変形してしまい、物が歪んで見えたり、視力が低下してしまう疾患です。症状が進むと失明の可能性もあります。
*白内障
眼の水晶体が白や茶色に濁って見えにくくなったり、視力が低下してしまう疾患で、加齢が原因のものと先天性のものがあります。加齢性白内障は太陽光、放射線、糖尿病、喫煙、飲酒による酸化ストレスの増加により進行するといわれています。
☆目の健康に役立つ栄養素
*ビタミンC・・・強力な酸化剤として活性酸素を消去して酸化ストレスを低下させます。
*ビタミンE・・・抗酸化作用に加え、免疫力を向上させ、網膜症などの糖尿病合併症を抑制します。
*ベータカロテン・・・夜盲症や眼の乾きを予防したり、免疫力を向上させて感染症を予防します。
ニンジン、赤じそ、パセリ、ケールなど
*亜鉛・・・視力の維持、細胞の再生促進、免疫力の向上に役立ち、抗酸化ミネラルとして酸化も防ぎます。 蠣、うなぎ、大豆など
*ルテイン・・・黄斑部に存在する色素で、抗酸化剤として眼の細胞組織を守ります。緑色の野菜や果物に多く含まれます。 ケール、ほうれん草など
*ゼアキサンチン・・・黄や橙色の野菜や果物に多く含まれ、ルテインと同様に抗酸化剤として働きます。 パプリカ、ほうれん草、マンゴーなど
*EPA・DHA・・・魚油に含まれるオメガ3系脂肪酸で、炎症抑制効果や血液循環を良くしたり、ルテインの吸収を助ける役目があります。 青魚・・まぐろ、かつお、あじなど
*ビルベリー・・・赤紫色の色素のアントシアニンが、強力な抗酸化作用せ活性酸素のダメージを抑えたり、血行を改善させる働きをします。
参考資料 株式会社ヘルシーパスニュースレター