今回はカルシウムについてお話します。
カルシウムとは体内で最も多いミネラルです。でも、現代の日本人では、実際にどのくらい不足していて、その不足を補うためには、どんな食べ物から、どんな食べ方の工夫があるか?紹介します。
☆カルシウムの働き
カルシウムとは、丈夫な骨や歯を作るのに欠かせない栄養素としてよく知られており、体内で最も多いミネラル(成人体重の1~2%)です。体内のカルシウムの99%は骨および歯に存在し、残り少量のカルシウムは、血液凝固や心臓の機能、筋収縮などに関与し、体内で重要な役割を担っています。
☆カルシウム摂取の意味
カルシウムの摂取は、カルシウム欠乏などによるくる病、骨軟化症、低カルシウム血症、骨粗鬆症の治療に対してはヒトでの有効性が示唆されています。また、カルシウムには、脳への情報伝達を正常にし、神経を安定させる働きがあり、ストレスの緩和に役立つといわれています。
一方、カルシウムの過剰摂取により泌尿器系結石の形成、ミルクアルカリ症候群(興カルシウム血症)などの障害を起こす可能性もあります。
☆カルシウム補給のための上手な食べ方
カルシウムは、胃酸で溶け、腸管から吸収されるため、胃酸の出ている食事直後が効率よく吸収できるタイミングです。また、梅干し、レモンなどに含まれるクエン酸はキレート作用によって、カルシウムの腸での吸収を高め、ビタミンDもカルシウムの吸収を促進させます。
逆に、炭酸飲料や加工食品に多く使用されているリンを取りすぎるとカルシウム吸収の妨げになり、砂糖の摂り過ぎも、カルシウムの排泄量を増やしてしまうので注意が必要です。
☆毎日の食事だけでは足りていない
カルシウムは、干しエビ、煮干し、ヒジキ、高野豆腐、ゴマ、チーズなどに多く含まれています。平成18年の国民健康・栄養調査によると、カルシウムは、通常の食品から、男性は546㎎、女性は524㎎摂取しています。
一方、日本人の食事摂取基準(目標量)は、成人男性で650-900㎎、女性600-800㎎、と設定されており、平均的に、男性:100-350㎎、女性:80-250㎎が足りていません。この不足分の補給は、サプリメントなどの有効活用をお勧めします。
参考資料:株式会社ヘルシーパス