新型コロナウイルスへの対応について

◇診療について◇

 

当院は緊急事態宣言期間中も通常通り診療しております。

診療時間などはHPトップをご覧ください。

 

 

◇感染予防対策を講じています◇

 

当院では来院される皆様に検温と手指アルコール消毒をお願いしております。

 

その他

・治療時にゴーグルまたはフェイスシールド着用

・室内の換気

・スタッフの体調管理など

を行っております。

 

ご不便をおかけしますが何卒ご理解・ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

 

 

◇診療日時の変更など◇

 

緊急事態宣言の延長や行政の要請により、今後診療時間の変更等あるかもしれません。
そのような場合は、その都度HPにて更新いたします。

 

重ねて ご理解・ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

コロナ特別編 鼻のチカラ

新型コロナウイルス(COVID-19)が、世界中で猛威を振るっています。ウイルスは目に見えず、空気中に舞っているので、

手洗いやうがいなどの対策を徹底しても、体内に入ることは十分に考えられます。

今回の健康ブログは、「歯科からできるコロナ対策」として、仮に体内に入っても、口のチカラを高めて、

「コロナに感染しにくい身体」にすることに焦点を当てます。今回は口と繋がっている「鼻のチカラ」です。

 

 

鼻呼吸は天然のマスク

 

ヒトは1日に約1万リットル(500ミリリットル入りのペットボトル2万本)分の空気を吸い、同じ量を吐き出します。

この動作を鼻でするか、口でするか。同じようですが、その意味は全く違います。

鼻呼吸には、ウイルスにとってさまざまな関門が伴うからです。

 

第1の関門は鼻毛

まずここで、ウイルスを含む。やや大きめのほこりなどがブロックされます。

 

第2の関門は、鼻の中の粘膜から出る粘液です。

ウイルスがこのネバネバにからめ捕られると、鼻から喉の奥にかけて生えた無数の線毛がベルトコンベヤーのように動き、

痰(たん)などで体外に排出されたり、胃に運ばれて胃酸で無害化されたりします。

 

第3の関門は、どんなに乾いた冷たい空気を吸い込んでも、鼻の中に縦横無尽に張り巡らされた毛細血管

これにより、喉の奥では体温近くまで温度が上昇し、湿度も80~85%に。

このため、乾燥に強く湿気に弱いウイルスの生存率が低下します。

 

副鼻腔(ふくびくう)で作り出され、殺菌作用などがある一酸化窒素(NO)の働きも、鼻呼吸すればこその効果です。

口呼吸では、そうした鼻が持つ防御機能は発揮されません。ウイルスの数も減らず、乾燥した冷たい空気が直接のどの奥へ取り込まれると、線毛の動きが弱まって排出 機能は下がり、ウイルスの侵入は容易になります。

 

 

「あいうべ体操」で自然と鼻呼吸に

 

とはいえ、鼻呼吸が苦手な人もいます。

マスクを着けた息苦しさで、マスクの下で口を空けている人も少なくありません。

そこで「あー」「いー」「うー」「べー」と、大きく口と舌を動かす「あいうべ体操」。

1日30セット(10回ずつ分割しても可)やれば、舌の筋肉が鍛えられて舌先が上顎に付き、自然と鼻で呼吸できるようになります。体操の刺激によって出る唾液で口の中は潤い、舌や口輪筋などの筋肉を動かすことで、口周りやのどの体温も上がります。

 

*ガムかみ*

「唾液のチカラ」編でも申し上げたように、ガムをかむと、咀嚼と嚥下を絶えず行うことになり、口唇閉鎖(口を閉じること)がしやすくなり、鼻呼吸になります。外出時にガムを噛みながら、マスクをしたら、さらなる感染防止対策になります。

 

*鼻づまりに即効性のあるツボ*

花粉症や、慢性鼻炎などで、鼻呼吸が難しい人もいらっしゃいます。そんな人のために鼻づまりに即効性のあるツボをご紹介します。

 

まず、鼻づまりに即効性があるツボとして、印堂(いんどう)と迎(げい)香(こう)があります。印堂(いんどう)とは眉と眉の間にあるツボです。鼻の通るまでしばらく少し強めにじわじわと押してあげましょう。迎(げい)香(こう)は鼻翼の両脇にあり、ぐーっと強めに10秒くらいを1セットにして、鼻の通りがよくなるまで押してあげるといいでしょう。

 

 

まず空気や食の取り入れ口を良好な状態に保つことが、健康づくりの大前提です。

 

鼻呼吸こそ天然のマスク!

 

を病の入り口にしないよう、誰でもいつでもできる予防法で免疫力を保ちましょう。

 

 

 

●参考文献

 

西日本新聞 「鼻呼吸こそ天然のマスク」専門家に聞く口腔ケア

聞き手 佐藤弘さん

話し手 岡山大学病院スペシャルニーズ歯科センター診療講師  岡崎好秀先生

ウェザーニュース 「鼻づまりに効果てきめん! ツボ5選」

 

コロナ特別編 唾液のチカラ

新型コロナウイルス COVID 19 )が、世界中で猛威を振るっています。

ウイルスは目に見えず、空気中に舞っているので、手洗いやうがいなどの対策を徹底しても体内に入ることは十分に考えられます。

今回の健康ブログは、 「 歯科からできるコロナ対策 」として、仮に 体内に入っても、口のチカラを高めて、「コロナに感染しにくい身体」にすることに焦点を当てます 。

今回は唾液のチカラです。

 

 

唾液のチカラ

唾液には、食べ物の消化を助ける酵素のほかに、口に入ってくるウイルスや細菌などの病原体に対する防御因子が含まれており、

感染症の予防や全身の健康維持に重要な役割を果たします 。この中にある抗ウイルス・抗菌作用を持つ免疫物質が、

インフルエンザをはじめ様々な感染症から私たちの体を守ってくれています。

唾液中にある免疫物質は、口腔内に侵入したウイルスにくっつき、免疫物質に取り囲まれたウイルスは唾液の自浄作用によって洗い流されます。

残念ながら、渦中の新型コロナウイルスに対する感染予防については、まだエビデンスがありません。

ただ、インフルエンザや SARS 同様、唾液や口腔環境が新型ウイルスの感染防御に役立つ可能性はあります。

また、口腔内での感染予防には、唾液中にあるIgA (免疫グロブリン A )という抗体が免疫物質の中で最も重要な役割を果たしています。

口腔や腸管内やどの粘膜面で病原体の感染に対して防御作用があり ます。

唾液中のIgA が低下していると、上気道感染症(いわゆるかぜ)を引きやすくなる など、呼吸器系の感染症にかかりやすい状態になります。

この IgA がコロナウイルスの感染予防にも有用である可能性があります。

 

 

唾液のチカラを増やすには

 

唾液の量増やすには、ガムがお勧めです。

ガムには、唾液の分泌を促進するだけでなく、咀嚼によるリラックス作用をもたらします。

さらにキシリトール入りであれば虫歯予防の効果もあります。また、ガムを噛んでいる時は口呼吸になりにくく、口からの感染を防ぎやすくなります。

食事中は箸置き置いて、口の中が空になるまで箸を持たないようにして、咀嚼による唾液分泌を促します。

IgA 量を増やすには、いわゆるストレッチなどの軽いエクササイズ、有酸素運動によって、唾液中のIgA 量を高められることが知られています。

また、食品では、納豆やヨーグルトなどの発酵食品や食物繊維の摂取も有効です。

唾液腺の交感神経節にある短鎖脂肪酸受容体にも反応し、唾液中のIgA が増加すると考えられています。

唾液腺(耳下腺と小唾液腺)は活性酸素に非常に弱く、耳下腺はビタミンC を大量に必要とするので、ビタミンC を多く含む食品を多く摂取するなど、

早い段階から唾液腺の健康維持に努めることが重要です。唾液腺は、自律神経により支配されているため、ストレスを避けて、リラックスした生活を送ることや、

十分な睡眠も大切です。発酵食品や繊維に加えて、抗酸化作用のある食品を摂取しましょう。

肉や脂っこい食品は、唾液の質を下げる傾向にあるので、偏りのない食生活が大切です。

 

 

<まとめ 唾液のチカラを高めてコロナ対策>

 

・ガム噛み

 

・軽いエクササイズ、有酸素運動

 

・リラックスした生活、十分な睡眠

 

・栄養(発酵食品、食物繊維、ビタミンC、抗酸化作用のある食品)

 

・脂っこいものはほどほどに

 

 

●参考文献

Beyond Health 「唾液の力」で新型コロナは抑制できる?

槻木恵一先生 神奈川歯科大学副学長・大学院口腔科学講座環境病理学教授

 

コロナ特別編 歯科衛生士のチカラ

新型コロナウイルス( COVID 19 )が、世界中で猛威を振るっています。ウイルスは目に見えず、空気中に舞っているので、手洗いやうがいなどの対策を徹底しても、体内に入ることは十分に考えられます。今回の健康ブログは、 「 歯科からできるコロナ対策 」 として、仮に 体内に入っても、口のチカラを高めて、「コロナに感染しにくい身体」にすることに焦点を当てます 。
今回は「 歯科衛生士のチカラ 」 です。歯科衛生士とは歯科疾患の予防と口腔衛生のプロです。

 

 

歯科衛生士のチカラ

 

口腔内に歯周病菌などの病原菌があると、ウイルスを粘膜細胞に侵入しやすくするプロテアーゼという酵素を出します。このプロテアーゼがウイルスを活性化させることで感染が起こってきます 。そのため、感染防御には口腔内の環境が重要で、 1 日 2 3 回の歯磨きで口腔内の衛生を保っておかないと、ウイルス感染を助長することになります。

 

 

歯科衛生士が口腔ケア→インフル発症率低下

 

口腔(こうくう)ケアがインフルエンザ発症率の低下につながることは、 2003 04 年、 65 歳以上の在宅療養高齢者 190 人を対象にした調査で明らかになっています。調査では週 1 回、歯科衛生士による口腔清掃などを実施した「口腔ケア介入群」( 98 人、平均年齢 81 歳)と、本人および介護者による、それまで通りの口腔ケアした群( 92 人、同 83 歳)を設定。半年後、インフルエンザ発症率を比較したところ、従来型で9 人が発症したのに対し、介入群で の発症者は 1 人で、 口腔ケアによって発症リスクが 10 分の 1 に減少した 。感染すると、高齢 者のほか、糖尿病、心不全などの持病がある人ほど重症化しやすいとされる新型コロナウイルス。
毎年のように猛威を振るうインフルエンザウイルスとは別物ですが、同じ感染症対策の一つとして、口腔ケアにも気を配りたいところです。

 

 

 

定期歯科検診のススメ

 

口のチカラを高めるために、定期歯科検診は非常に重要です。日々の歯ブラシでは細かい磨き残しが出てくるので、ケースにもよりますが、3 か月に1 回程度の定期歯科検診をお勧めします。
新型コロナウイルスが終息するまでは1 か月に一回でもいいかと思います。在宅勤務や外出自粛などでかかりつけ歯科院に通いづらくなっている方は、歯科衛生士が在籍している最寄りの歯科医院で歯のお掃除をしてもらいウイルスの活性化を予防してもらってはいかがでしょうか。

 

●参考文献
Beyond Health 「唾液の力」で新型コロナは抑制できる?
槻木恵一先生 神奈川歯科大学副学長・大学院口腔科学講座環境病理学教授
西日本新聞 「鼻呼吸こそ天然のマスク」専門家に聞く口腔ケア
聞き手 佐藤弘さん
話し手 岡山大学病院スペシャルニーズ歯科センター診療講師 岡崎好秀先生

時間栄養学とアンチエイジング

体内時計のライフステージ別の調査研究によって、高齢者の体内時計の特徴が明らかになり、適切な生活リズムによって体内時計を正常に保つことは健康寿命の延伸につながるものと考えられています。一方で、体内時計の乱れによって老化を進行させるという報告もあります。

そして最近になり、体内時計と食・栄養の関係を調べる「時間栄養学」が注目されています。

「時間栄養学」とは、「なにを、どれだけ」に加えて「いつ食べるか」を考慮した新しい栄養学です。この「時間栄養学」にもとづきながら、より健康になるための食事のポイントをご紹介いたします。

 

食べる時間を変えると体重が変わる!?


米国のパンダラボの研究がマウスを用いて、同じ量の同じ高脂肪食であっても、24時間「だらだら食べ」をしていると太り、メリハリをつけて食べると太らないことを証明しました。この2群の違いは何かというと、体内時計の深さです

食事時間が規則的だと、活動時間帯と休息時間帯がしっかり分かれており、24時間綺麗にリズムを刻んでいます。

一方で、「だらだら食べ」では、リズムの振幅が小さいです。これにより、代謝経路の時間的切り替えが起こりにくくなり、脂質合成ばかりが進んでしまうことで肥満に繋がりやすくなります。食事にメリハリをつけることは、規則正しい生活につながり、生活習慣病を未然に防ぐことができます。さらに、生活習慣病がもとである認知症を防ぐことにもつながります。

 

 

【糖尿病予防の観点から】

インスリン(糖の吸収を遅らせる物質)には日周リズムがあり、朝に高く、夜に低くなります。インスリンは血糖値

を下げる働きがあるので、同じ量の食事を朝昼晩と摂取した場合、血糖値の上昇は夜がもっとも大きくなり、朝がもっとも小さくなります通常の日本の食生活では、3食のなかで夕食の量がもっとも多い傾向にあることから、仕事が終わってからの夜遅い食事は、血糖値を一気に上昇させてしまう原因の一つです。

 

~メリハリをつけるために~

 

*朝ごはんをしっかり食べて、体内時計をリセット

体の中では毎日体内時計をリセットする必要があります。それに有効なのが、朝の光と朝食。人間の体は、日中は摂り込んだ栄養をエネルギーに変えて活動しやすい状態にし、夜は脂肪を蓄えるようになっています。なので「夜食は太る」と言われています。

 

*“夜どっさり”をやめて、3:3:4の配分

『時間栄養学』では、「栄養バランスのよい朝食を必ず食べて、3食のカロリー(熱量)配分は朝:昼:夕=3:3:4」が望ましく、夕食が21時を過ぎるようなときは1食を分ける「分食」をすすめています。たとえば、夕食の主食(炭水化物)分は夕方におにぎりなどで摂り、夜帰ってからは野菜中心のおかずを食べるというものです。

 

 

食べる順序と速度


「時間栄養学」の進歩で、食べる時刻はもちろんのこと、①食べる順序 ②速度が健康に大きな影響を持つことがわかってきました。

 

①食べる順序  野菜などをご飯よりも先に食べる!

血糖値が急に増えると、すぐにインスリンが分泌され、血糖を脂肪に変えてしまいます。

また、インスリンが急激に上がると、しだいに膵臓の機能を弱めて、長い間に糖尿病の原因ともなります。これを防ぐために大変有効な方法です。

 

②食べる速度  「一口30回」より 「食卓に箸置き」

食事の際、一口30回かむなどゆっくり食べることはインスリン分泌を抑える上で大変有効ですが、30回数えて食事をしても美味しく感じないかもしれません。

当院では、「食卓に箸置き」を推奨しております。箸を置いて食べることで、数えなくても 自然とかむ回数が増え、ゆっくり食べることができます。

 

従来の「何を」「どれだけ」食べるのかの考えに加え

「いつ」「どのように」食べるかの時間栄養学を考えましょう。

 

  • 参考文献

日本抗加齢医学会 「時間栄養学とアンチエイジング」

kewpie https://www.kewpie.co.jp/recipes/information/vegetable/vegefirst/

インターネット・ゲーム依存症

インターネット・ゲーム依存を中心に、それ以外のインターネット依存も含めると、その数は、子供成人を合わせて、わが国だけで500万人以上と推定されています。インターネット・ゲームなどのやり過ぎで日常生活に支障をきたす症状について、世界保健機関(WHO)が2018年6月、「ゲーム障害」として認めました。

「ゲーム障害」は、ゲームをしたい衝動が抑えられなくなり、日常生活よりゲームを優先し健康を損なうなどの問題が起きても続けてしまう特徴があると定義され、ゲームを最優先する、問題が起きてもゲームを続ける、個人や家族・社会・学習・仕事などに重大な問題が生じるとされています。

 

1.近年のインターネット・ゲームとは

ゲームと聞くと広く思い浮かぶものに家庭用ゲームがあります。しかし、現在その中心となっているのは、インターネット・ゲームと呼ばれるインターネット経由でのゲームです。

すぐに遊ぶことができ無料で遊べるものも多数あり、操作性も簡単。また、ネットゲームを通して、世界中のゲームプレイヤーと対戦型などの形でコミュニケーションをはかれたり、あるいは世界中のゲームプレイ仲間との関係という、新しい形のコミュニティが生まれることにつながったりしているなど、その世界は急速に発展しています。

 

2.依存症が及ぼす体への影響は?

インターネット・ゲーム依存の状態が続くと、以下のように様々な体への影響がみられます。

生活が乱れていくと、、、

 

①眠らない

朝方までゲームを続けてしまい、昼夜逆転状態になる

 

②食べない

ゲームから手が離せず食事がおろそかになる

 

③動かない

家にこも運動量が極端に減る

 

↓ ↓

 

体調も不安定に

①発育の異常

低栄養状態になり身長や体重、筋力の発育に異常がみられる

 

②骨粗鬆症

足首などの骨がやわらかくもろくなってしまう

 

③視力の低下

長時間見続けることで視力の低下や目の疲れを訴える

 

④筋力や体力の低下

運動量が減って筋力や体力が低下

 

⑤頭痛や吐き気、倦怠感

生活習慣の乱れにより頭痛やめまい、肩こりなどの症状が出やすくなる。

 

 

精神的にも乱れる

①イライラ、攻撃性

実生活でイライラしやすくなり攻撃的な言動をとったりする

 

意欲、関心の低下

色々な物事に対して意欲や関心をもてなくなり無感情・無表情になる。

 

また依存することで脳が壊されていき、神経過敏、コントロール障害、不安、うつ状態、注意力の低下、社会的機能の低下がみられる。

これは、アルコールや薬物依存と同じと判断されています。

 

3.病気に気づく!どこまでのめりこむと「ゲーム障害」なのか

2つのサインがみられたら「ゲーム障害」。

サイン① 健康面の問題

不眠・昼夜逆転などの睡眠異常、イライラ・焦燥感など心理の乱れ、眼精疲労・視力低下などの目の異常、1日1食になるような食生活の乱れ、服装や入浴などの衛生面の乱れ

 

サイン② 社会的な問題

学校や会社での成績が低下する、学校や会社に遅刻・欠勤する、家事や育児などの役割分担を 放棄する、家族や友達との会話が減る、攻撃的な態度・暴言・暴力がみられる

 

4.依存症を予防・改善しよう!

依存を一気に解決しようとしても、うまくいきません。まずは悪化を防ぐことを目標にしましょう。

依存を防ぐには生活改善が欠かせませんが、そこで大事なのは焦らないことです。インターネット・ゲームの使い方を考えて、少しずつ調整していきましょう。

 

方法① インターネット・ゲームを急に遮断しない

インターネット・ゲームができなくなると、ストレスが増え暴言や暴力につながったり、オンラインの人間関係などの崩壊にもつながる

 

方法② クレジットカードは未登録にする

課金額の上限を決め、すぐに決済できない環境にする

 

方法③ 食卓や浴室での利用をなくす

インターネット・ゲームをしない時間をつくる

 

方法④ 新しい趣味をつくったり、家事をする

本人が得意なことや熱中できることを探す

 

方法⑤ 家庭外での活動を増やす

運動や旅行、アルバイトなど家庭の外に出て活動することを増やす

 

5.インターネット・ゲームとの付き合い方

インターネット・ゲームにマイナス面だけでなく、プラス面があることも証明しています。

総務省の2010年の調査によれば、インターネット・ゲームにより「毎日が楽しくなった(79.9%)」、「人にやさしくなれるようになった(38.1%)」等のポジティブな面があることがわかっています。

また、ネットいじめについては、実際の加害経験、被害経験ともに学校でのいじめよりも低い結果にもなっています。他にも、世界中の人たちと友だちになれるというような、これまでは一部の方だけに限られていた世界の広がりを、誰もが持てるようになっているという面もあります。つまり、インターネット・ゲームの利用は、適切に使えば多くの効果が見込めるものでもあります。

 

「なくす」のではなく、「うまく使う」ことが非常に重要!

 

参考書籍

文春新書 インターネット・ゲーム依存症 岡田尊司

講談社 ネット依存・ゲーム依存がよくわかる本 樋口進

健康長寿に導く日本食

日本人の平均寿命は延び続け、現在では世界で最も長寿の国です。日本を世界一の長寿国に導いた要因には、欧米諸国と異なる独自の食生活の影響が大きと考えられます。

日本の和食は2013年にユネスコの無形文化遺産にも登録されました。

以前から日本食は健康に良いと言われてきましたが、いつの時代の日本食が優れているかを科学的に評価した研究や、過去と現在の日本食を比較した研究はほとんど報告されていませんでした。そこで、都築毅教授は国の栄養調査をもとに、1960年、75年、90年、2005年それぞれの平均的な1週間の献立を再現し、マウスに食べさせ、各年代の日本食の健康有益性(寿命や病気のリスクなど)を調べました。

すると、健康で長生きするには、1975年頃の日本食が最も効果的であることが分かりました。

1975年の日本食とは

現代の日本食と比べて過去の日本食には肥満や脂肪肝、糖尿病の発症リスクを軽減させる効果があり、特に1975年頃の日本食にその効果が強く現れ、健康維持に効果的であるとされています。

<1975年頃の日本食の1日の献立>

各年代の日本食と比較して、砂糖及び甘味類、豆類、果実類、藻類、魚介類、卵類、調味料及び香辛料類の使用量が多く、使用している食材の種類が豊富であった。一方で、嗜好飲料類の使用量が少ないという特徴も見られました。

<1975年の日本食の効果>

*肥満を抑制する

*糖尿病や脂肪肝を抑制する

*がんの発症を抑制する

*認知症を予防する

*老化の進行を抑え 寿命を延ばす

 

1975年の日本食の特徴

多様性:色々な食材を少しずつ(主菜と副菜を合わせて3品以上)

調理法:◎煮る、蒸す、生〇ゆでる、焼く△揚げる、炒める

食材:◎大豆製品、魚(介)、いも、野菜(漬物)果物、海藻、きのこ、緑茶〇卵、乳製品、肉

調味料:◎出汁、発酵系調味料(醤油、味噌、酢、みりん、お酒)〇砂糖

形式:一汁三菜主食(米)、汁物、主菜、副菜2品

 

今の日本食

家庭の食卓から、和食は明らかに減少しています。

その原因として以下の3つのことが考えられる。

①食の洋風化…海外からさまざまな食べ物が入ってきて、日本人の味覚や嗜好が変化した

②インスタント食品の流通…誰でも簡単に短時間で作れる

③「ワンディッシュ型」の増加…一汁三菜の型が崩れ、カレー、ラーメンなど

1つで済ますことのできる料理の増加

自分の都合で好きなように食事ができるようになった今、

食べ足りずに低栄養な人がいる一方で、食べ過ぎでメタボの人もいると問題視します。

 

なので…

外食や中食を利用する時にも、1975年の日本食の健康有益性を

実生活に取り入れ食材の数を増やし、少しずついろいろなものを

食べることが百寿者に近づく一歩です。

今回の健康ブログテーマは脳卒中です!

脳卒中について

 

脳卒中は死因別割合としては減少傾向で、「死なない病気」になりつつありますが、実は脳卒中そのものは増えていて、要介護になる原因としては認知症の次にくる疾患です。

さらに言うと、認知症の3割は脳卒中が原因であるため、実質的には脳卒中が要介護の原因、第一位となります。

実際、当院から歯科の訪問診療に行くと、車いすで手足が拘縮されている脳卒中患者さんをよく見かけます。

脳卒中とは、脳の血管がつまったり破れたりして脳に血液が届かなくなることで、脳の一部の細胞が死滅したり傷つく病気で、治療によって出血や血管の詰まりが解消された後も、後遺症が残ることがあります。

1分でも早く処置できれば、その後の症状が軽くなったり、後遺症を残さず回復したりすることもあります。

 

脳卒中の特徴として、徐々に具合が悪くなるということはなく、たいてい突然発症します。

発症のタイミングは様々で、夜中にトイレに起きた時や、朝目覚めた時に異常に気づいたり、昼間・仕事中に急におかしくなるというパターンがほとんどです。

 

脳卒中になって患者さんが困るのは、例えば麻痺が原因で日常生活に支障をきたすことです。

 

 

脳卒中になったら 

                      

発症早期(可能であれば当日)から、麻痺がある手足の関節を無理なく動かす訓練を行いましょう。

これは、麻痺のある手足を動かさないと関節が固まって、機能回復があまり期待できなくなるためです。

麻痺の程度にもよるりますが、病状が安定していれば早期から座った姿勢(座位の姿勢)をとるように訓練をして、

座位が安定すれば立つ(立位)訓練を始め、安定して立てれば歩行訓練へ進みましょう。

さらに起居・移動・更衣・整容(身だしなみを整えること)・食事・排泄など日常生活で必要な動作の訓練をしましょう。

また、患者さんは心理的に大きなダメージを負うため心のケアが必要です。

 

 

心のケア 

                           

患者さんは、麻痺やことばの障害などの症状、自分が今どんな状況に置かれているかを受け入れるまでに、時間が必要です。時間の経過とともに焦りや再発するのではないかと不安も抱きます。

不安や心配から、うつ状態になる患者さんに対しては、カウンセリングや薬物療法などを行うことがあります。

 

 

脳卒中になる予兆

 

次の症状がでたら、脳卒中を発症する確率が高いと言えます

 

このような症状がでたら、放置せずに案内医療機関への受診をしましょう。

 

 

脳卒中の原因と予防     

                     

次のような生活習慣を行っている方は脳卒中になりやすいと言われています。

このような生活習慣をお持ちの方は要注意!

 

 

脳卒中を予防するには、次のような生活習慣を心がけると良いと言われています。

 

このように脳卒中は「死なない」病気ではありますが、とりわけ介護現場では非常に「身近な」病気です。

一回、発症すると、QOLが著しく低下して、心理的にも大きなダメージを負います。

ですから、何より日々の生活習慣と予防が大事です。そして、発症前予兆を見逃してはいけません。

自分のために、そして家族のために心当たりのある悪しき習慣があれば、見直すきっかけにしましょう。


 

          

歯に優しい食べ物、咬み方、姿勢

よく噛むとは                               

歯科では運動器+道具という考え方で、具体例としてテニスを挙げて、運動器はプレイヤー、道具をラケットとすれば理解しやすいです。いくら良いラケットを持っていても使う人が下手では、テニスは上手になりません。これはいい歯(道具)であっても、良い顎(舌、頬、噛む筋肉)を持ってないと、しっかり物が噛めないのと同じです。

「よく噛むこと」とは、いったいどこでどのように噛むのでしょうか?昔から『食べ物は口に入れてよく噛みましょう』ということが言われています。しかしながら、その噛み方について詳しく述べている本はほとんどありません。「噛む」ということは場所、力、回数、時間、速度、食べ物の種類など様々な要件があります。よい噛み方の指導の基準として2つのことを目安に行っています食物が唾液とよく混ぜ合わせられているか、②咀嚼筋に健全な刺激が入るように使われているかです

 

①②を満たす噛み方をサポートする一番の味方は箸置きです

お口の中には一口ほおばって口の中が空になるまで箸を箸置きに置いたままにします。結果①②を満たす良い噛み方ができます。しかも普段より食事が味わい深くなります。

 

 

 

 

 

よく噛めなくなったら

 

 

例えば右の絵のように足を骨折して長期にわたって使用しなくなると、筋力低下(廃用性委縮)は1週間に20%の割合で進行しますが、この20%を回復させるためには1カ月かかります。

また骨格筋の筋力は、一般的に30歳前後まで増進し50歳ごろまで比較的一定に保たれ、それ以降徐々に低下しますが、これらの筋肉はトレーニングすることによって強化することができます。

 

 

【高齢者では舌が重要】

骨格筋の廃用性委縮や加齢による変化について述べましたが、噛む力を生み出す咀嚼筋や舌を巧みに動かす舌筋はどうかというと、摂食機能は生きる上で生命線であるということから、四肢の筋肉よりは低下の速度は遅いようです。しかし脳梗塞などで入院して禁食が続いて、久しぶりに食事を口から摂るとうまく食事ができないことがあります。このような時は口の開け閉めや舌の体操などで少しずつ食事がしやすくなります。

 

 

【口を開けるトレーニングは嚥下機能を改善する】

嚥下は喉頭挙上に開口筋である舌骨上筋が関与しているといわれることから、嚥下機能の低下した高齢者では開口筋のトレーニングが効果的であるという報告も見られます。開口トレーニングは顎関節のさび(拘縮)を取るという点からもお勧めです。

 

 

 

 

 

歯に優しい食べ物、咬み方、姿勢とは

 

 

*噛む最初に力の入る食物*

きゅうり、リンゴ、焼き菓子、アーモンドなどサクサクした食物

 

 

 

*噛む最後に力の入る食物*

ガム、スルメ、フランスパン、飴(ヌガー)など噛み切りにくい食物

 

 

 

 

これらを食べる時に、顎の疲れ具合を観察してみてください。

噛む終わりに力がいる食物は顎に負担がかかりやく、顎の開け閉めの仕方も人により違いがあります。顎の負担と食事の種類をいろいろな食物の噛み応えの違いを体験してみましょう。

 

 

【良い姿勢は、腰にも歯にも負担が軽い】

 

 

良い姿勢の基本は骨盤をしっかり立てることです。「背筋を伸ばす」「顎を引く」などがあり、良い姿勢では腰に無理な力がかからず、上下の歯が無駄に当たりません。しかし悪い姿勢では腰に負担がかかり、顎の噛み位置がずれて上下の歯が強く当たる所が出てきます。姿勢により顎の位置は変わるのです

 

 

 

【咀嚼に適した姿勢】

食事は椅座位を基本として以下の3点がポイントとされています。

①足底接地:体幹を保持するために、足底をしっかり床につける。

②体幹保持:頭部をしっかり支えるために、骨盤をたてて体幹を安定させる。

③うなずき頭位:食事をしやすくするために、前頸部を緩めやすくする。

 

 

また、次の姿勢は食事にはよくないので注意してください。

①コタツで脚を伸ばしての食事

②高い位置にあるテレビを見ながらの食事

③ソファーで腰を曲げての食事

これらの姿勢は、誤嚥を防止する意味でも重要なのでよく覚えておいてください。

咀嚼に適した姿勢、すなわち噛み合わせの指導に適した姿勢です。

 

 

 

 

口は「命の入り口」です。日々、楽しく食事を摂るための参考にして下さい。

参考文献:姫野かつよの歯科筋機能勉強ノート 姫野かつよ著

深夜訪問 在宅の命つなぐ

お年寄りができるだけ長く自宅で暮らせるように厚生労働省は6年前、24時間対応の「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」と呼ばれる介護保険サービスをつくりました。当時、切り札とされたサービスは今、どう利用されているのか。全国に先駆けて導入した社会福祉法人・射水万葉会の事例から現状と課題を考えます。

 

 

 

午前3時過ぎ富山県射水市の一軒家に、この日夜勤の女性介護福祉士、今村一文さんは血圧計などが入ったバッグを持って、訪問先の寝たきりの女性(98)が暮らす家の中に家族と約束している方法で静かに入り、気配に目を覚ました女性に「よく眠れましたか」と微笑みました。手早くおむつを交換し、血圧などを測って全身の状態を確認した後、喉の動きに注意しながらコップで慎重に栄養価の高いジュースを飲んでもらいました。

女性は物を飲み込む力が衰えて、専門職がいなければ食事や水分補給が難しく、最も手厚い介護が必要な要介護5で深夜も含め1日4回訪れる今村さんら職員の介助が頼りです。女性は昨年夏に入院先の病院で「老衰であまり長くない」と告げられ、「最期は家で」と自宅に戻りました。同居する60歳代の息子家族は共働きで、「仕事など、これまでの生活を続けながら介護できるのは訪問のおかげと感謝しています。

今村さんはこの日、午後10時~翌朝7時までを担当し、市内で暮らす85~98歳の自宅約10軒を1~2回ずつ訪れ、緊急の呼び出しに備えました。

 

 

 

同県内5か所でサービスを行う同法人の利用者は約130人。一人暮らしや高齢者2人きりの世帯が多く、同居する家族がいても仕事などで家を空けるため、日中は独りになる人がほとんどです。訪問回数は人によって1日あたり1~7回で、平均で約3回。1回あたりの滞在時間は20分未満のことが多く、おむつ交換や水分補給、就寝時の着替えや準備など、「自宅で生活を続けるのに必要」と判断したタイミングで訪問し、適切な介助をします。

一方、月あたりの電話相談は計約150回。同法人では、利用者の居室にテレビ電話を設置して、リモコンのボタンを押せば24時間、いつでも担当者と話せます。相談内容は「寂しいので話がしたい」や「おむつがぬれて気持ちが悪い」「車椅子にうまく乗れず、転倒してしまった」など様々で、訪問が必要な場合は職員が急行します。利用者や家族の満足度は高く、年間約10人が自宅でサービスを利用しながら最期を迎えます。

 

 

 

 

 

 

どんなサービスを提供してくれるの?

深夜や早朝、緊急時も含めて24時間、いつでもヘルパーの人が自宅を訪問して、水分補給や食事の介助などをしてくれます。具体的には、あらかじめ訪問時間や介助の内容が決まっている「定期訪問」と、緊急時の「随時対応・随時訪問」があります。「随時対応・随時訪問」は、病院のナースコールのように、テレビ電話などの通信機器を使って介護福祉士などの資格を持つ職員に24時間365日連絡を取ることができ、状況を話し必要と判断されれば職員が駆けつけます。

 

 

 

 

 

 

費用は?

サービスの特徴は、介護保険が使えて、必要があれば訪問回数が増えても利用料が定額という点です。

 

 

 

 

利用方法は?

このサービスを使いながら、日中は施設に出かけてレクリエーションや体操などをして過ごすデイサービスに通うなど、他のサービスを組み合わせることもできますが、対応する介護事業所はまだ全国に約870か所しかなく、利用できない地域も多いので、まずは介護プランを作る専門家のケアマネジャーに相談してみましょう。

 

 

大阪府下の指定事業所数(平成28年12月末)     厚生労働省の資料から

 

大阪市(15) 吹田市(1) 富田林市(2) 羽曳野市(1)
堺市(3) 高槻市(1) 寝屋川市(1) 摂津市(1)
岸和田市(2) 枚方市(2) 河内長野市(1) 藤井寺市(2)
豊中市(3) 茨木市(2) 松原市(1) 東大阪市(7)
池田市(1) 八尾市(2) 箕面市(1) 交野市(1)

 

参考:読売2018年11月19日(月)、読売2018年11月20日(火)